近未来の神話
- カテゴリ:日記
- 2022/03/04 21:04:54
戦争に負けたけど、たまたまその後の冷戦のおかげで、
75年以上も(少なくともその半分は)わが祖国はボチボチと復興と発展を続け、
保護監察付きなので、他国間の紛争に顔を出すのは御法度だった。
美味しいところに手を出すことには、もともと不得意な国民性だと思う
(朝鮮戦争では儲けたけどね)。ひたすら戦争を避け、
身の程をわきまえ、平和と高度成長の甘い香りに囚われていた。
要するに、幸運だったのだ。
時は過ぎ、やがてグローバリズムというまだ聞き慣れない概念が、
極東の列島に浸蝕し始めてきた。
そして今。
こんな近未来が予想される。
世界中の殆どの国家がナショナリズムの道を選んだ。
【グローバリズムの対義語はナショナリズム】
各国の軍備予算は年々増加しながら、新たな軍事同盟が生まれては消えた。
東ヨーロッパの地には複数の新たな原発メルトダウンが、人の住めない地域を
拡大させ、数年前には存在していた複数の国家が地図上の空白地帯になっていた。
各地に小競り合いの種が拡散した。中東や北アフリカでの争点はは言うに及ばず、
その時点で世界が認める覇権国の座に収まった中国が遂に台湾に食指を伸ばした。
アメリカもナショナリズムの洗礼を受け、他国間の争いには背を向けていた。
もともと台湾は尖閣諸島の領有を宣言していたので、
中国が台湾を飲み込む過程で、当然尖閣は事実上、中国領土となった。
とはいえ、中国としても安穏とはしていられない。
次なる世代の覇権予定国である、
インドの所持している核は、常に頭の上にぶら下がっている重しだった。
インドネシアもその次を狙っている。順番的にはそう。
ところが欧米(主にドイツ、フランス、カナダ)の各国が、
そのナショナリズムを先鋭化させて、軍拡を重ねていけば、
どこでどんなアクシデントが起こるのかは予想できない。
ヒューマンエラーは人類のお家芸。
願わくは、上記の列強の中に我が国がその名を連ねていないことを、
草葉の陰で祈っている。