Nicotto Town



南の島のクレア106


イドエルに言わせると貨幣と同等の扱いが出来ない物はその辺の石ころと変わらないと言い此れらは金塊の部類に入りきちんとインゴット化しなければ物との交換ができないとクレアに言いました。

クレアは其れは知っている、だから貴女と交渉に来たのだと言って過去に持ってきた数と同等の宝石とこれと同じ様な金貨があると言い其れを使えるようにしてくれたら其れの10分の1を絵の代金とそれらを貨幣と同じようにしてくれた手数料として払いましょうとイドエルに言いました。

イドエルは金をインゴットにするには高度な技術が居る事と我が家はもともと過去のシドリアル王国時代に製鉄業を営んでいたので其の技術があり現在此の国で此れをインゴットに出来るのは私の工場位だろう。其の手数料は常識として物をみてみないと決められないの位は君も商人の家の出身なら理解できるだろうと言って来ました。

其れを言われるとクレアも常日頃商売のどうのこうの交渉術がどうのこうのと言っている手前黙らざる得ないかったのでした。

クレアは今度は絵を返還すると言うとイドエルはにやりと笑うとポケットから一枚の契約書を出してきました。
其処には「絵は変換しない事を条件に1年間代金の支払いを伸ばす契約」が書かれていました。

クレアはあの絵のそんな高額の値打ちは無いと言うとイドエルは絵の値段は画商だけが決める物ではない買い手が其の価値を決めといいマキバル氏は非常にあの絵を気に入られた様でぜひクレア殿の心の癒しに壁に飾って貢献したいと言ったそうで「貴女思いの良い従者」をお持ちの様だと言いました。

結局クレアは2日後に再度実物を持って此の館の彼の執務室に交渉に来る事になりました。

一緒に来たドラゴンは彼を非常に良い顔をしていると褒めました。
クレアには何を言っているのかと呆れてピェールお兄様の方が何倍も良い顔をしていてピェールお兄様が通るとあちこちでお兄様を見て喜びの悲鳴を上げる女の人達が大勢いたと言って彼は顔は中の中だけど今日の態度で中の下になったわとドラゴンに言いました。
だがドラゴンは彼はきちんと君に対して礼節を持った対応を常にしていたと言いだす始末です。

クレアは彼のしたたかさを解って無いとドラゴンを非難したので次の交渉はドラゴンだけでなく知能を補佐すると言うフクロウ人間にもついてきてもらう事にしました。

クレアは更になめられたら困ると言うのでモゾリアナ国で来ていた豪華なドレスに身を包むとドラゴンとフクロウ人間を引き連れて今度は海賊の宝を持って彼の元に交渉に行きました。

流石の量にイドエルは言葉を失って其れを見つめていましたが暫くすると意を決したように黙って其れを丁寧に宝石と金貨の種類によって仕分けし始めました。

イドエルは其の手の動きを止めないでクレアに落ち着いた声で「で、君は何に其のお金を使うつもりなのか?此れだけの大金を仕様目的を教えて貰えないか?」と言いました。

クレアはモゾリアナ国に魔法学校を建てる資金が必要な事と魔女の森の中に魔石を取って来た魔女しか入れない古城があって其処の改修資金が必要だと言いました。

今度はフクロウ人間が私も質問をしてよろしいかな?とイドエルに聞きました。
「何なりと」とイドエルは手を止めてフクロウ人間の方を見て言いました。
フクロウ人間もイドエルのお金の使い道を聞きました。

イドエルは此の国の現状と其の起因の一つになっている劣悪で小規模な刑務所の実態を話し多くの国民がクレアが作った修道院の塀に触発されて新しい刑務所の建設を要望している事と過去に得た宝石を売ったお金と寄付を集めて広い国有地に刑務所の塀は出来たが中を作る設計図とある程度の資材の調達は出来たが其処で資金が尽きてしまった。
出来るだけ早急に其の続きを作って刑務所を建設させたいと言いました。

特に最近発覚した大きな事件は田舎から貧しい女の子達を買って来て、或いは攫って来て売春をさせていたが劣悪な状態と薬漬けとで半数が命を失い其の死体が大量に出たが芋ずる式に犯人は捕まえたが其れでも何らかの形で犯行に加担したと解って居ても此れ以上捕まえても刑務所の方で此れ以上は無理だと警察の方に行って来て大量の犯罪者をみすみす見逃している状態なのが発覚したと言うのです。

其れを知ったイドエルがクレアの持ってくる宝石に目を付けてまだ何かあるのではと探りに修道院のマキバルに近づいて来たと言う事でした。

イドエルはまず金貨のインゴットに変えるのを自社工場でやる事を約束してくれました。
其れと同時に宝石を宝石商を集めて売る事もやってこれらをお金に変える事を引き受けてくれる事になりました。

宝石はモゾリアナ国に持って行けば高く売れるのを知っているので宝石商達が先を争って高い値段を付けてかなりの額でさばけました。
フクロウ人間が其の様子を約束通りにフクロウになってみて居ました。

そして金貨も其々の純度に別けてインゴットに変えました。

そして改めて此れをどう分配するかを話し合うためにまたイドエルの館のイドエルの執務室にイドエルとクレアとフクロウ人間とドラゴンが顔を合わせました。

フクロウ人間がイドエルに刑務所の今後にかかる経費の説明を聞いていました。

刑務所は塀を先に作って中はどうなっているのかを知られないように後から作る様にしたそうで此れだけの設備は最低限必要だと此れにいくらかかるのかと言う説明をドラゴンとフクロウ人間は詳しく聞いていました。

更にフクロウ人間はクレアにも刑務所が長い事劣悪な為に起きている此の国の事についてどう思っていたのかを質問しました。

クレアはあの村があの状態になった時もやる気の無い此の国の警邏官ではだめだと思ったのでモゾリアナ国の警邏隊を借りた事とモゾリアナ国では許されないような犯罪が多く起きていてクレアも諦める部分は割り切ってあきらめてると言いました。

するとイドエルが何故諦められるのか!とクレアに聞きました。自分の国の民が此れだけ苦しんでいるのに隣国の魔法学校より先に此の国の現状を何とかしようと思わないのか!とクレアに詰め寄りました。

君には愛国心が無いのか?私は此の胸にモゾリアナ国民としての誇りと愛国心があると言ってイドエルは自分の心臓をこぶしで叩きました。

他の国の警邏隊を頼らなかければならない事は悔しいと思わなかったのかとイドエルはクレアに静かに問いました。

良し決まったとフクロウ人間は此の分配案を私は提案したいと言いました。

「5分の2と5分の2と5分の1が良かろうと思う。」と言うと上手に其れを別けました。
まず5文2がモゾリアナ国の魔法学校を作る資金としてと言うと机の上で其の分をよけました。
次にシドリアル国の刑務所を完成させる資金として5分の2と言うと机の上の其れをまた上手に別けました。

残りはクレアが自分の思った通りの古城の改装に使えば良かろうとフクロウ人間は言いました。

クレアは納得が行かないと怒りましたがフクロウ人間はイドエルには大義があると言います。
だから彼にはお金を使う権利があると言うのです。

「タイギ?タイギって何?」クレアの怒鳴り声が響きました。

ドラゴンはクレアを小脇に抱えるとフクロウ人間は5分の3の分を上手に別けて仕舞って丁重にイドエルに会釈をするとわめくクレアを連れて2階の大きな窓から飛び去って行きました。








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