Nicotto Town



南の魔女クレア83


アルガーは度ピンクの館の中を案内してくれました。
此の館は代々魔法省の副長官が管理人として住んでいる事、自分と妹以外にメイドが二人と男のコックと庭師が居る事。
解らない事は総て自分に聞いて欲しい事。
一通り案内し終わった時に庭に面したバルコニーになっている部屋でアルガーは色々説明をしたいので此処でお茶にしましょうと言いました。
其処はとても素敵な所だったのでクレアは大変其の場所が気に入りました。

まず魔女には月々の給料が出ると言って其の金額を言われました。かなり高額だったのでそんなに使わないと言うと「ドレス代にお金がかかります。魔女はお城のパーティにでなければなりませんから」アルガーが言いました。

詳しく聞くと魔女の本来の仕事は王様を含めて王家を守る事が第一の仕事で其れは此の国を守る事の基本だそうで其の為には社交界のパーティにでて不穏な気配を察知するのも仕事の一つだと言うのです。
パーティは月に1,2度あり全部に出る必要はないのですがまずは多くの人の顔を知る為にも出て情報を得た方が良いでしょうと言います。

とりあえず王様が主催のパーティには招待された人で断った人は今までいませんとアルガーはきっぱりと言いました。其の時に前と同じドレスを着て来る女性はいないのでほぼ毎月ドレスを作らなければならないので此の金額になりますとさらりと言いました。

王様の次に公爵家主催のパーティもお城で行われます。王様は出席しませんが此れも出た方が良いでしょう。次に伯爵家主催のパーティもお城で行われます。此れは伯爵家以下の招待客は断る人はいませんとの事でした。

次にアルガーは此れまでの経緯を説明し始めました。不吉な悪意ある空気は10年ほど前から神官たちによって感じられていた事。色々な不幸な事故が重なっている事。お城の中は神官たちによって見つけるたびに浄化をしてきた事。
この2~3年は特に其の不吉で不穏で悪意ある気配が濃くなってきた事。
其れに伴って城下でも色々な事故が多発している事。神官たちが此の数か月の間に自分達の手に負えない程其れが強くなってきていると言うので先のガリバ地区の貴方の働きを見たクラスバー長官が貴方の力を借りる事を進言いたしました。
アルガーが私も貴方の力と私達魔法省の力と神官達が一緒になって闘えばきっと解決するのではと思っていますと言いました。

アルガーがクレアが連れていた猫がいない事に気が付いて「猫ちゃんは此の館の中で迷いませんでしょうか?」とクレアに聞きました。
クレアは猫はもう此の館には居ませんと来て直ぐに気配を感じて私が此処にいるという事が解ったので既に行きたいと思った所に行って其の内この館に帰って来るでしょう」と答えました。
其れよりも此の度派手な館は誰が作らせたのかと聞くと120年前に来た魔女がピンクが好きで此の館を自分様に立てさせたと聞いていますと答えました。
とすると北の魔女が死んだ後になります。クレアが住んでいる魔女の森の木の家を作った後の魔女になります。シンバの前の前の魔女かもしれません。
どの魔女もだいぶ個性的と言うかかなり神経が病んでいるのかもと思ったりしてクレアは魔女の仕事は過酷なんだなぁと想像しました。
アルガーが早速パーティに出る為にドレスを作る手配をしていますと言いまた。
クレアは此れで十分だと言うとクレスバー夫人にクレア様に恥をかかせないドレスを作る様に応接買っておりますといいました。
クレアは「クレスバー夫人ってあのクラスバーのクラスバー?」と言うとアルガーは「クラスバー長官のご婦人でいらっしゃいます。」と言うのでクレアは思わず「彼って独身じゃなかったの!?」と言うと「ご婦人とお子様二人ございます」と言うのでクレアは「じゃ~私、帰ろうかなぁ・・・。」と言うとアルガーは何のために来たのですか?魔女は人を助ける為に存在しているのではないのですか?というのでクレアは其の仕事はあの村を助けた所で終わったわと答えました。
クレアは「だいたい私は魔女になりたくてなったんじゃないの。魔女にあの港町と村を助ける為に魔女にされたのよ。」とマドレとカリドに説得されて魔女になったいきさつを話しました。
「で、ちょっと色々となんか空しくなって旅に出たいなぁと思ったら此の話がきたので遠くに行くのもいいかなぁと思って来たの。素敵なクラスバーとも会えるし・・・。」と言うと深いため息をついて「私って本当に馬鹿のお人よしだわ」と言いました。
メイドの一人が洋服屋が来たと言うので色々なデザイン画の中から特におすすめのと言う服を注文しました。
採寸は一緒に来た女性の採寸係の人がきて其れに合わせた靴だのバックだのと言ってきます。
出来上がるのがかなり時間がかかるので王様への謁見はクレアは来ていたドレスで間に合わせる事にしました。

そうこうしている内に猫が帰って来ました。クレアは猫と話して少し顔を曇らせました。
此れはかなりの長期戦なるかどうやらクレアは甘く考えていたようです。
クレアは少し考えたいので其のバルコニーから庭にでました。
此の館の庭師は花を中心に庭を作っている様です。
クレアは庭師に花の説明を聞きながらもう一度猫を外に出しました。
クレアはもう一度シドリアルに帰る必要性を感じてました。
此れはかなり大変な事になるか或いはもっと別の何かが大きな力が働いているのかかなり強い魔力をクレアは感じていたのです。
其れが何かが今のクレアには解りません。
悪と善と何かが混同して何かが起きてクレアの想像以上の何かが存在して其れが何かも今のクレアには解りません。
アルガーに何か質問をしたいのですが此れをどう表現してよいのかもクレアには解りません。
此れはクレアにとって初めての感覚でした。
クレアに取って此の奇妙な強い感情が揺さぶられる様な感動する善と表現して良いのか解らない胸がドキドキする感動する感覚と其れとは別に場所によって胸が悪くなるような嫌悪感を感じる場所があったりするのでした。
何がどうしてこうなるのかクレアには理解できません。
此の嫌な感覚は以前クレアが此のモゾリアナ国の首都のクアナの港に来た時も感じたものです。
あの嫌な感覚が時々風に乗って来るのか土にしみついているのかそんな感覚がするのです。
其れは場所によって強くなったり薄くなったりするのです。
一定の場所にとどまっていると言うよりも少し前に在った所が移動している雰囲気なので漂っている様でした。
しかも強くなったり弱くなったりします。
アルガーがそろそろ夕食の時間になると言うので度ピンクの館に戻りました。
夕食はクレアが気に入る内容でしかも久しぶりにデザートが付いている夕食でクレアは懐かしく思いました。
テーブルにはクレアとアルガーとアルガーの妹のメルが付きました。
クレアが来る前は二人が食事についていたそうです。
朝食はリヤドの館の様に其々の部屋でするのかと聞くと朝食も昼食も夕食も一緒に此のダイニングルームでするそうです。
朝食の時間は決まっていて昼食は外に用事がある時は其れを事前にメイドに知らせるそうです。
夕食も同じです。
朝食だけは何時も二人一緒にしていたとの事でした。
クレアは其々の家で色々なのだなぁと思いました。









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