Nicotto Town



南の魔女クレア67


クレアは自分の頭では整理が出来ないと言うかいくら考えてもどうしたら良いかが浮かばないと何日か考えてマドレとカリドに漢方屋さんの前庭に来て貰って相談する事にしました。「魔女の回復薬」も果物も持って来ないでロバにだけ乗って来たクレアを見て二人はいよいよ魔女の助手を止めると宣言しに来たのだと思いました。
だがクレアの話を聞くと村の様子を聞いて迷っている事。其の理由はバロルド氏と言う医師の死と犯人達が魔女に知らせると村を焼き払うと言う脅し文句にもしかして彼らはシンバの死を知らないで魔女を恐れているのではないかと思うと此の違法薬の解決には魔女の力が必要なのではないかと思うとクレアは其れまで考えていた事をぽつりぽつりと話し始めました。
二人はクレアがあっさりと魔女を止めると言い出さなかった事にほっとしながらもクレアが其れだけ解っていて魔女になろうとしない原因を探る事にしました。
二人はクレアを刺激しないで静かにではどうして君は其処まで解っていて魔女になろうとしないのかと尋ねました。
クレアはしばらく黙っていて「シンバはとても元気な叔母さんでした。私よりも体力はありましたので私が一人で持てない水の入った壺も一人で家の中にはこびこみました。気力も精神力も物事をよく解っている人でした。其のシンバが成功しなかった事が私に出来るとはおもえない」と二人に言いました。
マドレもカリドもあの魔女の森の中にある魔女の家で暮らしていた経験があります。マドレは8歳で出ているので特に色々な事を覚えています。マドレがクレアに其れが出来るかどうかをまず判断する材料を集めようと提案しました。敵を知らないで戦争を仕掛けても負ける可能性があるからまず敵を知って作戦を立ててどうしても無理だと判断すればまた考えれば良いと言うのが彼らの案です。
クレアには其れは思いつかない事でした。マドレはフクロウが居た事を覚えていて其の言葉をしゃべるフクロウがとても利口で何でも知ってそうなのも覚えていました。何百年も生きているフクロウだそうです。
クレアは確かにフクロウが決心が決まったら知らせろと言って来たと言うとまずは3人で其のフクロウに会う事にしました。
3人は魔女の家に戻るとフクロウさんを呼びだしました。一羽のフクロウが来てボンと小さな音と共にフクロウが人間の姿に変わりました。マドレとカリドは驚きもせずにお久しぶりですとか挨拶をしてます。フクロウもお前達も元気そうで良かったとか当たり前の様に話をしてます。
驚いているクレアの方を向いて其の奇妙な格好の男が言いました。決心がついたかと聞くので「其の前に質問があります。今までの魔女達が失敗した例を聞きたいのです。全部なくても主な失敗した例を教えてください」と言いました。
フクロウはよかろうと言うと話始めました。まず道に迷っていけなくなって山で遭難をする。
「其れを回避するためにはどうしたら良いのですか?」とクレアが聞くと「簡単な事じゃ。昔クロラルド国とシドリアル国が仲が良かった時にシドリアル国の女達はクロラルド国にある「美肌の湯」と言う温泉に入って其処で一〇日程過ごすと肌がすべすべになってどんな婆さんでも10歳から20歳は若返ると言われている温泉に通ってから初夜の晩に備えるのが習慣になっていた。
所が両国の間の国交が無くなると其の道が使えなくなった。其処で裏道にあたるシドリアルの渓谷沿いに行くと途中で温泉に行く看板が立っておるので其の道を行けば良いのじゃ。問題は其の温泉の誘惑に乗って其の温泉に其のまま行ってしまって魔女になる事などどうでも良くなって美人になって玉の輿になる方を選んでしまうという事じゃとフクロウは言います。
クレアは目をキラキラさせて「10歳から20歳若返って肌がすべすべになって玉の輿!其れってとても良い話だわ」と言いました。「そうよ。クロラルド第一王子が何でも礼をすると言ってくれたので誰か良い男を紹介して貰って玉の輿の生活も悪くないわ」と言いました。
マドレとカリドは最初はクレアは上端で行っているのだと思いましたがクレアは目をキラキラさせて其の後の質問はしません。どうやらクレアの頭の中は玉の輿の生活を空想させて其の中でふわふわと浮いているようなでした。
そんな誘惑に乗らないで道に迷って遭難した魔女の方が余程マシだとカリドが言うと其の声が聞こえたのかクレアは少し不満そうにカリドを睨むと「多くの女の人は玉の輿を夢見るわ」と言いました。
カリドが「其れで村人はどうなっても其の優雅な生活の中を満喫できるのか?」と聞くのでクレアは少し考えてみる事にしました。「考えるのかよ!」とカリドが呆れた様に言いました。
クレアは少し考えて「村人の人達も自業自得と言う事があるわ。少し注意をすればそんな悪い奴に引っかからないと思うの。少し注意をすれば悪い奴という事が解ると思うの。騙さられる方もだまされる方でしょう。私にだって自分の一生に一つしかない人生だもの。自分の人生は自分で選びたいわ。女の一生だものお金持ちの男と結婚して其の温泉にしょっちゅう通って何時もすべすべの美人で豪華な生活が送れるのと一生独身でばばぁになってこんなド田舎の木の家に住む一生とどっちを選ぶかと考えるとほとんどの女の人はこんな木の不便な家に住むことを選ばないわ。」
マドレとカリドは顔を真っ赤にして「大勢の人が苦しんでいるんだぞ」とか「幼い子供だって親の犠牲で衰弱死しているんだ」とか「だます奴が顔に俺は騙す目的で来てます等と書いている訳じゃない。騙される方が普通でだますためにはあいつらは何でもするんだ。騙される方が悪いんじゃない!だます方が悪いんだよ。」とか唾を飛ばしてクレアに迫りました。
クレアはとりあえず其の事に関しては保留と言う事で次に何があるのかを聞きました。
フクロウ人間は「其の温泉に行くには二つの道があってなだらかだが遠回りの道を通ると旅の宿があってほんの数組だけが止まれる豪華な秘密の宿で王族が所有しているが開いていたら留めてくれる時もある。其処に止まると王族の豪華な生活に慣れてしまって惨めな此処の生活に戻れなくなる魔女が多い。対外其処で魔女になるのを止めてしまう。」と言いました。
クレアはマドレとカリドの顔をちらっと見ると険しい顔をしてそっぽを向いています。
クレアは「一応其の高級宿の一泊の値段を聞いて見て良いかしら?」と言うとカリドが呆れた様にため息をつきました。其の値段は此処の果樹園の果物を10回ほど収穫をして後は「魔女の回復薬」を限界まで作って売りさばくと止まれそうな金額でした。やろうと思えば出来ない金額でもないのです。
フクロウ人間は更に話をつづけました。「だがそこを通り過ぎて行くと険しいが温泉への近道がある。そっちの方向へ行くのだ。やがて温泉へ行く道の分かれ道があるので温泉と書いた方で無い細い道を上がって行くと岩に囲まれた入り口があって其処に崖があって其の崖から下の水がある所へ飛び込むんじゃ。」と言いました。
クレアは其れを聞いてあっさりと「あっ、其れは私には無理、私泳げない物」と言いました。





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