Nicotto Town



南の魔女クレア35


ダルシャは料理のレシピだから数字や動物や花の名前が載っているけど、風、水、氷、火、土とか花の名前も隠語があると言ってました。

クレアは其の文字を書いて横に小さく数字や動物や花の名前を書き添えて書き写しました。
そしてダルシャと二人で何時かお金に余裕が出来たら作ってみたいねと話したりもしました。
クレアは他では書き写す事など出来ないと言うとダルシャはびっくりしてました。
そして其れは其の家に代々伝わる料理長の物だから見る事も出来ない様にしまわれていると其の館の料理長と言う立場になってから受け継がれる凄い物なんだと説明するとダルシャは慌てて其のレシピノートをぱたんと閉じると顔を真っ赤にして慌てて元の場所に戻しました。
クレアはもう誰も料理長何て此の館に居ないんだから良いじゃない此の際だから書き写そうよと言ったのですがダルシャは黙って首を横に振りました。
其れでも夕食のパンにはクレアが作ったジャムが付いたり蜂蜜が付いたりしたので何故か夕食時は雰囲気が明るくなりました。
クレアはダルシャがクレアが料理を作るのを手伝うのを拒み始めたので無理強いはせずにせっかく買った狩と動物を狩る為の罠の本を読んだのでクロスボウと仕掛け罠の道具をもってボルアートの子供時代の外套を着て義母の長靴を履いて冬山に狩りに出かけました。
本に書いてあったのを何度も読み直して頭に入れて置いたので其の山の状況と罠の仕掛け方が傍で教えて貰っている様に解りました。本当にこんな場所があるのだと言う位に其々の動物が通る道のヒントが残されていて彼らの生態にそって其の行動の形式の為に残さざる得ない形跡があるのです。
其れにそって罠の仕掛け方も場所や状況によって違うのです。其れを詳しく丁寧に書いてあったので其の通りの場所にその通りに幾つかに別けて罠を仕掛けました。
其の日は鹿にもウサギにも鳥にも会わなかったので罠だけ仕掛けて帰って来ました。
次の日出来るだけ遠くの動物が通らない人間の領域から罠のかけた場所を見ると書いてありましたが其れにはかなりの視力が入りますがクレアには望遠鏡を家から持って来てましたので難なく其の課題をクリアしました。
望遠鏡で罠をかけた所を木に登ってみましたが何もかかってませんでした。
二日目も何もかかってませんでした。三日目にクレアはウサギがかかっているのを発見しました。
本に書いてあった通りウサギの足を縛る紐で手足を縛って頭に袋をかぶせて慎重に罠を外してそれから袋の中にウサギを入れてダルシャにウサギを取れたので生きているのでまず血抜きをして内臓を出してと本を読み上げるとダルシャは何度もやった事があると言うのでダルシャに任せました。
燻製にしようかどうかは迷いましたが夕食に使って残りは塩漬けにして更に残りはダルシャの家に外の雪の中に入れて凍らせて腐らない様にして次の日に持って行って貰う事にしました。其の後の残りの食べ方もダルシャのお母さんが全部出来るそうです。
更にウサギの皮はダルシャの弟の帽子の材料にすると言ってました。
次の日もクレアは其の仕掛けた罠を別の所に移して設置しました。
其れから四日後に今度は鹿が別の罠にかかっていました。
クレアが近づくと鹿は角で威嚇してきて近づけません。
足を縛ろうと後ろに回り込もうとしても鹿もそうはさせ時と体制を変えてクレアを威嚇します。近づきすぎて危うく角で刺されそうになって飛びのいて転がってやっとクレアはギリギリ難を逃れました。
しばらく考えて此れは私の手に負えないと大急ぎで館に帰ってダルシャに鹿が罠にかかったけど太もも付き足二本をくれたら残りをやるので捕まえて血抜きと解体をしてくれる奴が居ないかと相談するとダルシャは飛び出して行きました。
クレアは鹿の傍で待っていると一人の長い髪と髭と帽子で顔が見えない隠した男が来て「鹿を捕まえたのは「ぼうず」か?」と聞くので多分自分の事を言っているのだろうと頷くとお前はまだ小さいから此の大きさの鹿を扱うのは無理だが何れは一人で出来なきゃならないからみておけと言うのでクレアはまた頷きました。
男は手早く足に紐を絡めて引っ張って鹿が転ぶと同時に足を縛り上げると手も縛って手頃な木につるすと血抜きをして内臓を出してそれから約束の太もも付き足の肉を二本くれました。
其の時にダルシャがやってきて「クレア様、どうなりましたか?」と聞いたので其の男が「クレア様!?」と言うのでクレアは黙って頷くと男は気まずそうに「てっきり男の子かと・・・いや、どうも失礼をいたしました。」と頭を下げるのでクレアも「こちらこそお手間を取らせてお世話になりました。」と言ってダルシャとクレアが一本ずつ鹿の足を担いでもって帰りました。
皮を剥いで肉を外して適当な大きさに切って其の日のシチュウーにする以外はさっそくクレアは燻製室にもって行きましたが大きな燻製小屋で使い方にいまいち自信がありません。
ダルシャに此れで火を付けて良いかと相談するとダルシャはまた走って行って其の男を呼んできました。其の大きさの燻製小屋を扱った経験があるそうで自分の貰った肉も一緒に燻製にして良いならその他に足りない物を家から持ってきた物の中にあるのを使って燻製を作ってくれると言うので其れで手をうちました。
ダルシャが言うには気が付かなかっただろうが彼は戦争に行って指を少し失って足を怪我して顔に酷いけがをして帰って来たそうです。
其の前はトウニ地方にある農場に勤めていて其処には此処と同じ位の大きさの燻製小屋があったそうです。戦争から帰ってからは怪我の為に仕事が無くて主に狩をして肉を売って生活をしているそうです。
こんなレンガで作られた立派な燻製小屋は其の農場で見たの依頼で此れからも燻製した肉の一部と引き換えに使わせて欲しいと言うのでクレアは承知しました。
此れで春になって虫刺されとの戦いで狩をしなくても肉が手に入ると言う物です。クレアも次第に此の家の状況を把握してきました。
雪が解け始めて春が来ました。
階段の所でダルシャが「奥様、もう売る本がございません」と言うと義母が慌てて二階へ向かってダルシャも其の後を追いかけるのでクレアも追いかけて其の部屋に入りました。
何と其処は両壁が本棚になっていて其の本棚に本は無く資料の様な物やノートやファイルの様な物が散乱しているだけでした。
次の部屋にも行くのでクレアも二人について行くと其処の似たような状態でした。
其の部屋はロッカーや机も残っていて其の引き出しの一つが開いていて手紙がびっしり入っていました。其れに何気に見てクレアは心臓が止まりそうでした。何と見慣れた御父様の字が其処にあったのです。
クレアは其れを手に取って読み始めました。其れを見つけた義母が震えながら「此れには訳が・・・・。」と行った時に何時の間にか義姉が来ていて「お母様が泥棒をなさったの。貴方に酷い事をしたのよ!」と言うと泣き出しました。義姉が抱いていた赤ちゃんが其れに驚いて泣き出しました。ダルシャも泣いてます。「知っていて黙っていてごめんなさい」としゃくりあげながらダルシャがやっと言いました。
義母は真っ青な顔をして鬼の様な顔をしながらも震えて立っているだけでした。





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