Nicotto Town



南の魔女クレア33


ダルシャのお母さんが産後の後始末してクレアとダルシャで産湯を使わせて義姉の所にバスタオルでくるんでつれて行きました。可愛い男の子でした。
ダルシャのお母さんにいくらかのお礼を渡して血が付いた義姉の下にひいていたシーツやバスタオルをダルシャが洗濯をして赤ちゃんが義姉の乳を吸いだした時に義母が出てきて義姉とクレアが赤ちゃんの名前の話をしている時に割り込んできました。此の家代々の名前があるそうで名前はもう決まっているそうでギルアートと言う名がつけられました。今頃のこのこやってきて名前だけは付けて行く事にクレアは腹を立てましたが義姉は其れで良いと自分は此の子と一緒に居られれば良いからと私に何も義母に言わない様にと哀願しました。
義姉のお乳の出が良かったのでみるみる赤ちゃんは大きくなって行きました。
其れから3週間くらいたった夜の事でした。余りにも赤ん坊の泣き声が続くので2階の義姉の部屋を覗いて赤ちゃんの様子を見て気が付いたのですが赤ちゃんのお尻がただれて真っ赤です。其れと赤ちゃんは何時まで経ってもバスタオルにくるまれていました。いずれ秋が来るだろうし赤くただれたお尻が気になってみると幾つかの布をおしりにとっかえひっかえ当てて紐で縛っているだけで部屋中が酷い匂いです。
おむつも無ければおむつカバーも無くベビー服も無いのです。
驚いてクレアはダルシャを起こすと「家探しをする」と言って自分について来るように言いました。クレアはカンテラとろうそくをもってダルシャはろうそくをもって3階の暗くなった長い廊下に立ちました。「此れから一部屋一部屋を回ってベビー服を探します。こういう家は子供時代の衣類はどこかにまとめて取って置く事が多いから」と言いました。廊下を挟んで沢山の部屋が並んでいます。クレアは一つの部屋に入るとカンテラを吊るす所にクレアの持ってきたカンテラと路側を吊るして手元はダルシャの持ってきたろうそくで照らしながら其々の部屋の箪笥やチェストやロッカーの中身を子供用の衣類が無いかを探して回りました。
過去にこれらの部屋の探検をしていた為にあらかじめ無い部屋は解っていたので今まで探してなかった部屋を中心に探すと3つ目の部屋のロッカーについている下の引き出しに丁寧にたたんだ子供用衣類が出てきました。その中に厚いフェルト地のおむつカバーとベビー服もありました。
其れをダルシャ持たせてきた布の袋に詰めると義姉の部屋に戻りました。
ダルシャにぬるま湯を洗面器に入れる様に言って更に水差しにお湯を入れて傍に置いておむつを替えるたびにお尻をぬるま湯で洗ってタオルで乾かしてお尻が乾いてから洗濯が済んで乾いたおむつをしておむつカバーをして持ってきたベビー服に着替える様に言いました。ベビー服はちょうど義姉の部屋の箪笥の空いている引き出しにしまいました。ネルのシーツを割いたおむつはちょうど良い大きさの籠が在ったので其処に入れて頻繁におむつを替える様に言いました。
其れから義姉の部屋の酷い匂いのおむつに使っていた布を一旦袋に入れて外に出しました。
ダルシャが何度も洗面器のお湯を変えに行って水差しにお湯を用意してお尻を丁寧に乾かしてから新しいおむつに帰ると赤ちゃんのお尻の真っ赤なただれは無くなりました。
クレアとダルシャは洗濯に追われましたけど此れはまだ夏だったから良かったとつくづくクレアは思いました。
相変わらず義姉も子供の世話で忙しくクレアもダルシャも働いているのに義母は何もしませんでした。
やがて早い秋が来ました。木の葉が落ちた隙を狙った様にクレアは木の枝を切って柴を作り幹を斧で切っては薪を作って行きました。
おかげで館の周りはすっきりして洗濯物をかける為に残した木が幾つか残されているだけになりました。
大量の薪があるので寒くなったと思ったらすぐに暖炉を焚いて其の部屋で紐をはって大量の洗濯物を乾かしました。義姉は其の中から乾いた赤ん坊の衣類やおむつと自分の衣類を自分の部屋にせっせと運びました。
ベビーベットも見つかったので其れに赤ん坊を寝かせて寝ている時は洗濯ものを其の部屋に貼られたロープに乾かす役目もする様になりました。
クレアがどんどんと薪をつくる木を館のまわりから広げて行くので館が高台にあったのが解りました。
そしてある程度の家の周りのクレアの背丈だった木を殆ど切ると館の周りは広い広場だったのが解りうっすらと馬車を止める場所や其々の仕事や動きの為の同線の道が出来ていたのが解る様になりました。
もしかすると4.5年前までは庭師が居て庭の手入れをしていたのかもとクレアは思いました。
いよいよ雪がちらつく冬が始まったのでクレアはまた馬を借りてきて荷馬車いっぱいに薪を積むと隣の領地の町に例の道を通って売りに行きました。
冬が始まると薪の値段はどんどん上がって結構な値段で全部売れました。
ダルシャが越冬野菜を買いたいと言うので其れでジャガイモだの人参だのと越冬野菜と更にクレアはミシン糸を大量に買いました。
クレアは自分のミシンを持って来ていたのです。
更に小麦粉等パンの材料とバターを買うとクレアは最後に獣を取る罠を一式買いました。
家に帰ると義姉が赤ん坊をゆりかごに乗せて自分で洗濯をした衣類を暖炉を焚いている部屋に干してました。
クレアは義姉が次第に変わって行っているのを感じました。
其の内に夕食作りに義姉も赤ん坊をゆりかごで揺らしながら加わる様になりました。其の頃は外はすっかり雪景色に代わっていました。
昼間の明るいうちに3人で子供服の家探しをする事にしました。
出て来るわ出て来るわで1歳から12歳位までの衣類は一通りそろったので義姉は開いている義姉の隣の部屋を3人で掃除をして其処に箪笥を幾つか置いて何れ子供部屋にする様に改装しました。
本格的な冬になり外は一面雪景色ですが暖炉の火は赤々とともりどこの部屋も暖かかったので其の事だけは去年の冬よりマシでした。
此れでボルアートが居てくれたらとクレアは思いました。
何故これがボルアートが居た時に出来なかったのかとクレアは何故クレアを3階から降ろさなかったのかと言う事に疑問を持ち始めましたが。
多分多少は事情を知っている義姉もダルシャも何もそれには触れないのでクレアも聞きづらくて当面は黙っている事にしました。
ボルアートが帰ってきたらきちんとボルアートと話し合って二人で此の館を支えていく提案をしようとクレアはあれほど手紙を出すと言っていたクレアに一通も手紙をくれないボルアートを余程大変な所に居るのだろうと思って命が無事で帰ってくれば良いと思う事にしました。





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