Nicotto Town



南の魔女クレア28


クレアのせっかく寒い地方だからとオーバーガウンの高価な外套を買ってもらったのに着れない事の不満を言って腕に噛みつこうとするのに閉口してボルアートはクレアが其れを着て表に出る事を許しました。

ドレスとクレアが持ってきた靴だと動く事も出来ないとボルアートのズボンをはかされてボルアートの子供の頃の長靴を履かされてクレアは表に出ました。
どんどん雪にずぼずぼと靴が埋まるのも構わず雪をかきわけていくと広い場所にでました。
其処はクレアが此れまで見た事も無い素晴らしい世界が待ってました。
「ボルアートの領地はどこにあるの?」とクレアが聞くとボルアートは驚いたように今見渡せるところは全部だと言いました。
クレアが指をさして「あっちの向こうも?こっちのむこうも?」と聞くと「だから見渡せるところは全部だ。」と言うのでクレアは「じゃ、空も雲も!?」と剥れて言いました。
ボルアートはわらいながらそうだと言うのでクレアは怒って持ってきた箒で雪をかいてボルアートにふりかけました。
ボルアートは雪をほろいながら「空以外の全部だよ」と言ってクレアをもちあげました。
そして「今クレアが見れるところの其の向こうも更に其の向こうも全部そうだ」と言いました。
クレアは其れでも意味が解らない様に眉間にしわを寄せて不快そうに黙ってしまいました。
ボルアートがぼーっと周りを見ているクレアに雪玉をぶつけました。
クレアは怒って持ってきたバケツの中に雪を入れると其の中の雪をボルアート目掛けてほおり投げました。
ボルアートがひょいとそれをよけました。
クレアは何度もバケツに雪を詰めてはボルアート目掛けて投げるのですがひょいひょいとボルアートはよけます。
クレアがバケツに雪を入れてボルアートを追いかけようと数歩走った所で思い切り足を雪に取られてばたんと雪の中に前のめりにつっぷしました。
雪だらけになりながらクレアは直ぐ起き上がろうとすると腕が雪に埋まりました。もう一方の腕も起き上がろうと力を入れると埋まります。
足をバタバタさせてもがけばもがくほどクレアは雪の中にずぼずぼと沈んでいきました。
しばらくするとクレアは何とか息をしようと顔を横に向けて動かなくなりました。
しばらくそのままになっているとボルアートがずぼっとクレアを持ち上げて立たせてくれました。
ボルアートに雪を掘ろって貰いながら「クレアは雪が大好きーい!」と大きな声で言うとまた大股で雪の中に進んでずぼぞぼと沈んではもがいてはいあがるのを繰り返しました。
ボルアートは「まるで犬ころだな。」とぽつんと言ってはしゃぎまわっているクレアを見てました。
少し経つとボルアートは吹雪を予感してクレアに帰る事を告げましたがクレアが聞こえないふりをして雪の中をずぼずぼと埋まりながら林の奥の方に進んでいくのでボルアートはクレアを抱き上げると肩に担ぎあげました。
「よいしょっと」とボルアートは体制を整えるとクレアが持ってきた箒とバケツと脱ぎ捨てた帽子とマフラーを帰り道順に拾いながら館の方に向かってどんどん歩き始めました。
館に着く頃に本当に吹雪になってました。
其のまま3階の自分達の部屋に戻るとクレアのオーバーを脱がし靴をぬがしびしょ濡れの靴下を脱がしズボンを脱がし殆ど裸にするとボルアートのシャツとアンダーを吐かせて更にボルアートの上着を着せて暖炉の前の椅子に座らせました。
それから消えかかっていた暖炉をまた薪を入れて火をおこしました。
クレアはだぶだぶの服をきせられてズボンのすそに足を取られながらも夕食までそうやって過ごしました。
流石にクレアは其の格好では自分の服装にポリシーがあると言って3階から降りないで用事をボルアートに頼んだのでこれ幸いとボルアートはクレアを外に連れ出して雪遊びをさせて家に帰って来るとボルアートのだぶだぶの服を着せて温かく暖炉を焚いてほおって置く事にしました。
クレアはだぶだぶの服で2階にいけないのでボルアートが下の階に降りて直ぐに戻って来ない時は3階の色々な部屋の冒険をしました。
中はそれぞれ昔誰かの部屋だった雰囲気なのか机やロッカーや豪華な椅子があったり豪華な飾りのついたベットが誇りよけの布をかぶされてあったりしました。
カーテンは窓についているのは日焼けしているのが多く此の家の古さを象徴してました。
チェストの中には衣類が誰かの衣類がびっしりとはいっていて其のまま使えそうなのがきちんとたたんでしまってありました。
中には誇りよけの布をはぐと驚くほど豪華な椅子がでてきたり素晴らしい透かし彫りの模様が付いた机が出てきたりしました。
クレアは此の家の昔の本物の華やかな領主貴族の生活の一端を見た気がしました。







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