ネタばれ読書日記『天使は黒い翼を持つ』
- カテゴリ:小説/詩
- 2021/11/28 22:53:56
著者;エリオット・チェイズ
評価 ★3
あらすじ
脱獄仲間が考えた『飛び切りのヤマ』のため石油堀りで資金を稼いでいた俺は安ホテルには不似合いな極上の美女ヴァージニアと知りあい。彼女を『ヤマ』のための相棒にする。『ヤマ』とは銀行の装甲車(現金輸送車)の強奪だ。
デンヴァーで新婚夫婦を装い生活するうちに俺は本気でヴァージニアを愛するようになり、気まぐれな彼女はしばしは俺と喧嘩をし、困惑させるような行動をしたが、いざ計画を実行すると度胸を発揮する。装甲車と見張りの老人の死体を廃鉱に落とし、俺とヴァージニアは大金を手にニューオリンズの高級ホテルに向かう。しかし贅沢に慣れたヴァージニアに対して俺はすぐに豪遊生活に飽きてしまう。
ある日、ホテルのロビーで俺の本名を知るかつての隣人に会った俺は恐慌を来たし嫌がるヴァージニアを連れてホテルを後にする。しかし、旅の途中で故郷のメイソンヴィルを通り抜けようとしたことで運が尽きた。たまたま起こっていたケチな強盗事件のための検問で俺は逮捕されてしまった。ヴァージニアの協力で脱獄するも、俺たちは自分の罪を見つめ直すために死体と装甲車を捨てた廃鉱に向う。
廃鉱を覗き込んだヴァージニアは興奮し、誤まって穴に転落してしまう。俺は彼女を助けようとするも正気を失い、まともな行動をとることが出来なかった。そして俺を追跡していたFBIの警官に逮捕されてしまう。
感想
とっても理屈っぽい。。
名前がヴァージニア〈処女〉で職業娼婦とか。主人公の偽名、本名も何か意味があるのか??
典型的なアウトロー小説で、俺〈偽名ティム/本名ケネス〉やヴァージニアの性格は良く書けているし、主人公の不安定な精神状態も破滅の理由には十分なんだけど、老人を殺しても平然としていた二人が何故現場に戻るのかちょっと納得いかない。
そして、この小説には同じ名前の人物が二組登場していてそれぞれ善悪に分かれている。特に、主人公と同姓同名の幼馴染が検事をやっているなんてあからさますぎる。
そういうことってありますよね