終活の手伝い方
- カテゴリ:日記
- 2021/11/26 11:10:02
タレント田村淳氏のご母堂はご自分の葬儀を全て生前に手配し、
出棺時の音楽にポールモーリアの『オリーブの首飾り』を指定したそうな。
こういうのはしみじみ、佳い話だと思います。
子のいない親族の葬儀を喪主として数回やりましたし、
生前から本人の意向を聞いていたりもするので、
さほど迷うことなく進められてるのはいいんですが。
生前に相談を持ち掛けられるとなかなか厄介で面倒です。
なにせまだ、本人が生きてるんですからね。
そうそう迂闊な提案も胡乱な態度もとれませぬ。
戦前生まれは『他家に嫁ぐ』という因習が当たり前ですから、
亭主の家の墓に入るのが道理です。ところが『分骨』なんてワザがあって、
この場合どえらく手間がかかることになる。墓じまいという話も出てくる。
本人たちは終活ブームの影響を受け、身ぎれいにして旅立ちたいらしい。
なら全部捨てるか叩き売ればいいわけですが……そうはいかない。
写真とか記念品とかいわくつきの服なんてのが宙に浮く。
オソロシイことに「預かってくれ、捨ててもいいから」なんて話になる。
ブンブンブンブン首を振る。話題をかえようと躍起になるが、
数十分後にまたループ、これが数回繰り返される。
話がこじれるうちに、互いの連れ合いの品評会になる。
これ、自分が逝ったあと、どういう点をケアしてやってほしいかという、
一種の遺言めいた響きもあるわけで、徒や疎かにはできぬわけです。
みな口を揃え「最小限で」というんですけどね、どこが最小限なものか。
いちおうこれだけ知らせてほしいと渡されたリスト、親族いねえじゃん。
仕事の同僚や後輩や……銀座のママまで入ってたりする。頭痛がイタイ。
ほんと、みんなまとめて焼き殺し、骨拾って永代供養簿にでも放り込みたい。
本気で言ったら「それもいいねえ、さびしくなくて」などと宣う。
オレ、やっぱコイツらと血が繋がってる。頭痛は激しくなり幻聴まできこえる。
……ユースケや、ユースケや。諸行無常です、因果応報です。
オマエが現世で繰り返した悪行の数々の報いなのですよ、思い知りなさい。
せめて孝養くらい尽くしなさい。血は水よりも濃し、……
なさぬ観念、するが観念。諦念の権化たる私ですから諦めてますが、
つい頭に血がのぼるんです。田村淳氏の逸話を嫌味っぽく話したら、
「ボクは〇〇がいいなあ」「アタシは◇◇か◆◆かしら」と盛り上がった。
生者の死は二つ、肉体の死と忘却という死だと言われてますが、
アタシゃ生前に娯楽として弄ばれる死というのも入れるべきだと愚考します。
香典返し、なにがいいかしらと嬉々として語る馬鹿ジジババ見てると、本気で。
初めまして。コメント有難うございます。
本音を言えば、ジジババどもを少しでも安らかに逝かせたいだけなんですが、
どうしても生者が出てしまい、自省することも多いのが悩みではあります。