Nicotto Town



南の魔女クレア21


約束通りにモニークからのトウニの商店会の上得意様を招いてのパーティへの招待状がクレアに届きました。お父様に招待状が届いた話をするとお父様も其のパーティの事は知っていてクレアがモニークとは同室で仲が特によくて士官学校の卒業パーティでダンスを踊った仲間を招待してくれると言っていたけど本当に招待してくれるとは思わなかったと言って新しい其の為のドレスが欲しいとお父様にせがみました。お父様はさっそくトウニのモニークのお父様が開いている大きな洋品店にクレアをつれて行ってくれました。其のお店はクレアがびっくりするほど大きくて立派で豪華でモニークが士官学校の卒業パーティで来たドレスが今年の社交界デビューのパーティ用ドレスの見本の中にマネキンが来て飾られていました。
毎年子息令嬢の社交界デビューのパーティの季節になるとどの洋品店も其れ用のドレスの新作の見本がお店のウィンドウに幾つか飾られます。お父様はクレアが今年の社交界デビューの歳だと解っていて今年はお父様が付き添ってくれてピェールお兄様にダンスの相手を探してくれると約束してくれました。
とりあえず其の日はトウニの商店会の上得意様を招いてのパーティ用のドレスをとてもたくさんの豪華なドレスがある中で何着かを試着して店員さんが薦めてくれたのを買いました。クレアが驚いたのは余りに沢山の見本のドレスが所狭しと飾ってあるのと其のどれもがクレアが其れまで想像していたのと見た目だけでも豪華さや華やかさや更に高級品であるという事がクレアにも解りるほど素晴らしかった事です。

其のドレスを着てお父様が前日からマージのホテルに部屋を取って付き添ってくれてマージが手配したホテルの馬車でパーティ会場まで送ってくれました。
パーティ会場に付くとモニークが受付で待っていてくれてまず自分の店のドレスを着てきてくれた事に感謝の言葉を言ったのでクレアも自分が着て来たドレスのすばらしさを行ってお店の店員さんがとても丁寧で親切に応対されて感激した事を言いました。
先に来ていたダルニと合流するとボルアートが来てない理由を聞きました。
ボルアートは彼のお兄様に兵士召喚状が来てボルアートのお兄様が戦争に行く事になったので領地をその間管理する為に自分の家に帰ったと教えてくれました。
「戦争!」とクレアはびっくりして聞き返しました。モニークは既に知ってましたが何と士官学校と服縫専門学校があったバスタ地方のゼルセカよりずっと南の端の方に大きな砦があります。
其の砦をキリアマリ軍が攻撃を仕掛けていると言うのです。
モニークがどうやってキリアマリ軍が其処に入っているのか不思議だと言ったのでクレアは自分が製縫学校の2年目に入って本屋で仕事をしていた頃に製法工場に見習いに通っている友人がキリアマリ国の商人に売る服を縫っていて忙しいと言っていた事を伝えた。
「そう言えば最初はキリアマリの商人は砦の役人にわいろを使って工場に注文の中継ぎをしていたのだけどしばらくしてキリアマリの商人が直接工場に注文を出しに来て忙しくて殆ど門限過ぎまで働かされて、ほら私が木を登って塀を乗り越えたように帰る頃は門が閉まっているのでみんなあの木を利用していたわ」と言った。
「じゃあ、バスタ地方の南端にあるキリアマリ国との国境を南の魔女が決壊を張っていたはずが破られていたという事?」とモニークが聞くのでクレアは「そう言う事になると思う」と言った。ダルニは厳しい顔をして真剣に其の話を聞いていた。
クレアはしばらく考えて「ダルニ、私思うのだけど・・・。私の勘ぐりすぎだったら変な事を言う子だと思われるかもしれないけど・・・、あの工場はシドリアル国の軍の服を専門に縫っている工場だよね。もし其の出来上がった制服をキリアマリの商人が盗み出してキリアマリ軍の兵士に着せたらどっちが味方か敵か解らなくなるんじゃないかと思うんだけど考え過ぎかなぁ・・」と言うとダルニはモニークに「急用ができたので今日はこれで」と言って踵を返すとパーティ会場の入り口の階段を急いで降りて行った。
パーティ会場に入ると大人達は集まると戦争の話をしていた。
クレアは意を決して他の人の対応をしていて戻ってきてクレアに飲み物を勧めたモニークにお願いがあるのと言って話始めた。
「モニークが士官学校の卒業パーティで着ていたドレスが今年の「社交界デビューのパーティ」のドレスに色違いで来て良いかしら?私、あのドレスがとても素敵に見えて一度はあんなドレスを着てみたいとあのパーティの時に思っていたのがお店に見本で飾られていて・・・」「勿論かまわないわよ。その為に飾ってあるのですもの」とモニークが言った。そして其のドレスがどれだけ注文が来ているのかを調べてきてくれた。ピンクが2着、赤が1着既に注文が入っているとの事でクレアはピンクとか赤はもうさんざん来たのでブルーにしようかとおもうのだけどと言うとモニークが賛成してくれた。
「モニークはどんなのを着るの?」と言ってからクレアははっとした。モニークの家は爵位を持ってなかったのだ。モニークは顔色を変えず普通に「我が家は商人ですもの爵位は取らないわ。此れからもずっと商人で行くつもりなのでどの国にも属さないで商人の家の君主はお金を多く出した方なの」と言った。
そしてクレアをじっと見つめると私は子供の頃からそうやって育てられたの。だからね、キリアマリ軍が此の国を支配したら金額が多く出す方に商品を売るのが商人なの。其の時に爵位は足かせになるから持たないのよ」と言ってニコリと笑った。
ホテルに帰ってからお父様とマージに其の話をすると商人とはそう言う物だとお父様が言った。
マージがお父様の館を出る時に会計士の家庭教師を付けてくれて「この機を逃さずにのし上がれ」と言って出してくれたことに感謝しているとお父様に言った。だから妻の父がせっかく用意してくれた館に引っ込んで居なくてこうやって商売を手伝わせて貰っている。手広く商売をやっている義父を尊敬しているとも言って其の場に居たマージの奥さんも嬉しそうにマージを見ていた。
お父様はクレアがトウニの商店会のパーティに出ている事が自慢の様でお父様の取引相手に娘の用事でトウニに来たついでにご挨拶を等と言って色々な所に顔を出してお世辞をいっぱい言われたのか機嫌が良かった。
其の機を逃さずクレアはモニークのドレスの話をした。お父様は帰りにモニークの洋品店によって其のドレスを注文してくれた。
マージもクレアの「社交界デビュー」に全面的にバックアップをしたいと申し出てくれて前々日からマージのホテルに泊まってマージのお母様に社交界デビューの時の式典の事を細かく伝授してくれることになった。
お父様に取っても初めての事なのでお父様は其れは助かると言って感謝の言葉をマージのお母様に社交辞令の言葉を並べ立ててほめたたえたのでますますマージのお母様は張り切った様だ。
クレアはどんな鍛え方をされるのかと不安げにマージの奥さんの顔をうかがうと板面ぽい目をしてにっこりと笑って返してきた。
クレアは生唾をごくりと飲んだ。

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2021/11/28 01:53
ぐれいす様
ではこちらの日記のカテゴリーの「自作小説」の判断でぐれいす様はぐれいす様の判断をすると言う事で良いと思います。
勿論他の本格的な「小説サイト」の「自作小説」ではありません。
ですがぐれいす様が其の判断で気が付いた点のご指摘はその都度見直して再考して行きたいと思っておりますので今後ともよろしくお願いいたします。
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2021/11/28 00:35
 ?存じておりますよ。
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2021/11/27 00:35
ぐれいす様
ニコットの『日記]』と分類している中に更に細かくカテゴリー別に分類される所が在るのです。
「南の魔女クレア21」と赤字で書いてある右横をずっとたどると「カテゴリー」と言う所がありますので
其処にカテゴリー別に分類した種類が書いてあります。
ニコットの『日記』を書くと言う所をクリックしますとカテゴリー別に分類できる様になってます。
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2021/11/27 00:14
 申し訳ありませんが、ニコッとタウンが「日記」と言っていますけど。それは「日記」の内のカテゴリの一つでしょう? 「日記」がピンとこないなら「ブログ」とでも。自作小説と言っても小説サイトの小説とは違うと思いますので。
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2021/11/26 05:27
ぐれいす様
此れは日記ではなく「自作小説」の分類にして出してます。
次に「業と」で間違いで無ければ此処は其のままにしておきます。
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2021/11/26 02:10
 いや。言うてるはしから……。読めんのに何で? まあ基本、日記なんだから私が気にし過ぎなんだろうけど…。言わんとすることは分かるしね。ただ惜しいと思ってしまうんよ。ちょっと上からな物言いで申し訳ないですが。それに、態と、に関しては調べたら、わざ(業)+(プラス)格助詞【と】、から成り立つ言葉だったので、業と、が間違いとは言い切れません。ちなみに、わざわざ、は態々ですが、業々、は、ぎょうぎょう、と読むそうです。
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2021/11/26 00:07
ぐれいす様
いえいえ業とではありません。そう言う事は知りませんでした。
大変勉強になります。
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2021/11/25 21:53
 「itazuraいたずら」を「itaduraいたづら」と打って「板面」の変換でも違和感持たないのは……。もしかして態と?



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