9月の雨の中
- カテゴリ:小説/詩
- 2021/09/16 00:15:55
キンモクセイの香りに
9月の雨が降る
秋の風が優しく頬をなで
薄紫の桔梗の花が静かに揺れている
その景色を一人たたずみ
ぼんやり見ている私がいる
あなたの香りがする
そしてあなたの面影が揺れる
想い出のページを閉じてしまっても
刻まれた記憶は消えることがない
私は再び歩き始める
この雨の中
澄んだ花の香りと
冷たくそよぐ風を受けながら
独り
にじむ景色の中を
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春に芽生え夏に栄え
冬に枯れ去っていく
秋はその夏と冬の間
そうですね
実らせ、そして落としていく
人の心もそんな部分を持っているのかも
変わりゆく景色に自分を重ねるのでしょう
今は一人でも
また春が来る
そんな期待を心の奥に持ちながら・・・
秋は色んなものを実らせ、色んなものを落としていく
満たされていく想いとは裏腹に
過ぎてゆく時を感じる季節でもありますね・・・。