仮想劇場『共感と共鳴』
- カテゴリ:自作小説
- 2021/08/23 11:13:37
物心ついた頃にはもう気が付いちゃった。僕ってほんとの能無しなんだねって。
運動はできないし学力だって全然足らない。椅子にじっとしてはいられないし、いつもソワソワきょろきょろ。
おしゃべりが止まらなくって口にガムテープ貼られたり、ルールを破るから教室から追い出されちゃったり。
友達は僕のことをオオカミ少年と呼んでいつも馬鹿にしていた。
嘘吐きが抑えられなくってどうしようもないから。
それでも構ってもらえたのは多分、馬鹿者は馬鹿者なりの距離さえ守れば遊びの足しにはなったからだろう。
プライドが目覚めたのは14歳の頃。
馬鹿にされるのに心底嫌気がさしてしまった。
一人前の扱いをちゃんと受けたかった。
ドロップアウトする理由はたったそれだけだった。
不良少年に憧れたけど、どこのグループからも相手にされない。
本物のクズになりそうな自分をずっと好きにはなれなかった。
自分を嫌いなまんまで生きてやろうと居直って逃げた。
独りで歩いていくしかできることがなかった。
報われたのは30も半ばを過ぎた頃。
大きな大きな鐘に出逢ったから。
見た目はまるで山のようで、町の外に放置されて雨ざらしのままだった。
その鐘がひどく音痴で耳障りに鳴って、同時に僕の内側の魔鐘が信じられないほど甲高く煩く響き鳴った。
それがあまりにも気持ちよかったもんだから、僕はその感覚を求めて今もこの町にしがみ付いてる。
欲しかったのは共感じゃない。
僕の胎の犬を吠えさせてくれる耳煩いの音だ。
静寂の中では大人しくするしかなかったこの駄犬の、溜めに溜め込んだ本音と吐露と渇望の咆哮だ。
そして能無しは能無しのまま太く逞しく生きてやれと、耳障りの遠吠えが今日も町にこだましている。
寛容なお心遣いに感謝します。
おはようございます または こんにちは
この度はサークルをご挨拶もせずに衝動的に退会してしまい大変申し訳ありません。
ちょっと現在情緒不安定な状態にありまして、
元はと言えば誘因は私にあるので私が悪いのですが、怖い思いをしたので
心身の安定のため離れることにしました。
大変心苦しいですがご理解いただけますと幸いです。
これまで数々のお世話になりありがとうございました。
サークルは離れましたが ニコッとでは変わらぬ交流をいただければ嬉しいです。