Nicotto Town



日本百名山 ~ BSプレミアム ~ ③  


こんばんは!11日(水)は北日本や北陸、そして九州では雲が広がりやすく、

雷を伴った激しい雨の降る所があるでしょう。
北日本では土砂災害や高潮に厳重に警戒し、河川の増水や氾濫、
低い土地の浸水などに警戒してください。
その他の地域は概ね晴れますが、午後は所によりにわか雨や雷雨がありそうです。

夏の尾根は
色とりどりの花盛り

岩の急登を
越えた先には

荒々しい地形に
    目を奪われ

岩の頂に咲く
 希少な花と出会う

             夏 花の岩尾根を行く
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                谷川岳

*この番組は2020年8月31日に放送したものです

〇登山ガイド 高月弘子さん

20年前、東京から移り住み、谷川岳の麓、水上町に暮らす高月弘子さん。
年間100日程谷川岳を案内するベテランガイド。
沢登りや山スキーなど、四季折々の山の楽しみ方を伝えている。

*撮影:7月中旬

前回は非対称山陵という同じ山ですが、新潟県側はなだらかなのに、
群馬県側は切れ落ちている。
どうしてこんな地形になったんだろう?のところまでの紹介でした。
今回はなぜ?かから始めます。

<山旅スケッチ>

群馬側の険しさを象徴するのが、ここ一ノ倉沢。

〇一ノ倉沢

高さ1000m、日本アルプスにも匹敵するような大岩壁が聳えます。

「で、見てもらうと真ん中にこう沢山雪が残ってますよね?
 え~、万年雪ともいわれてますけれども」

夏も残る大量の雪、この雪によって、
非対称山陵という特異な地形が創られたのです。

群馬と新潟の県境に延びる、標高1900mの稜線。
冬、新潟側から強烈な季節風が吹き付けます。
稜線に残る雪は強風に飛ばされ、群馬側の大雪をもたらします。
かつてこの雪は氷河となり、谷を覆っていました。
氷河は斜面を流れ下る時、岩を削り取っていきます。
こうして谷底が深く抉(えぐ)られ、絶壁に囲まれた地形が出来たんです。
そして今も雪が谷を削り続けています。

「沢山起きる雪崩も、岩を削っていくので、
 え~、その雪と氷がこの地形を創り出してる訳です」

長い年月をかけ、風と雪が形作った谷川岳の非対称山陵です。

トマの耳を後にし、二つ目の山頂へ。

「このトマの耳とオキの耳の間の稜線は、
 沢山あの高山植物が出てくると思います」

耳の間の稜線でも花が見られるんだ。

「ここ今、ハクサンフウロめちゃ綺麗ですよ。ね?いい」

〇ハクサンフウロ

薄紫の花が可愛いなぁ、花の大きさは3cm程、今が見頃だ。

これはツツジの仲間、この辺り小さな花が多いですね。

〇ミヤマホツツジ(ピンク色のお花)

「木が多くて風が強いとこなんで背丈がうんと低いですよね」

「ここ今百合も出てきましたよ、可愛い」

厳しい自然に耐えて健気に咲いている。

〇クルマユリ(オレンジ色のお花)

〇タテヤマウツボグサ(紫色のお花)

さぁ、オキの耳を目指してもうひと踏ん張りだ。

陽が高くなるにつれ、雲が湧いてきた、先を急ごう。

オキの耳へ登り返す。

大きな岩がゴロゴロしてる。

「はい」

何か咲いてるのかなぁ?

「谷川のお花がここにちょうどごそっと群生してますね、見えますかねぇ?」
 ホソバヒナウスユキソウといいます」

〇ホソバヒナウスユキソウ(白いお花)

「この蛇紋岩の岩の隙間にこうそっと咲くようなお花で、
 谷川岳を代表するお花の一つだと思います」

他の植物が育ちにくい蛇紋岩に適応した花なんだ。
ヨーロッパアルプスに咲くエーデルワイスの仲間だ。

「岩場でちょっとこうするすると風に吹かれて、
 揺れてる姿が何とも愛おしいというか、
 このお花見ると、あ~、谷川岳って思います」

谷川岳、最高峰のオキの耳へ。

「よ~」

最後の登りも花が見守ってくれる。

「来ましたよ~、ついに二つ目の耳」

〇谷川岳 オキの耳(1977m)

3時間半かけて登り切った。

「到着で~す、谷川岳、オキの耳」

ありがとうございました。

「はい、二耳、いや~。
 で、ちょっとこっちの方まで行って足元気をつけてくださいね。
 下見てみましょうか、ほほほほほ。
 右にマチガ沢、で、左には一ノ倉沢です」

1000mも切れ落ちた谷底、やっぱり群馬側は険しいんだな。

「この絶壁に張り付くように色とりどりのお花が
 こう咲いてるのが見えますよね?」

山頂の絶壁を彩るまさに天空のお花畑だ。

出発した天神平も見える。
4km程の登山だったけれど、色んな楽しみが詰まっていたな~。

〇登山ガイド 高月弘子さん

「ロープウェーでこうビュッと上がって来て、
 で~、天神平のその高原のお花畑も楽しめたし、
 まぁ谷川岳らしいイメージの岩稜のちょっと険しい登山道があって、
 ここが2000mにちょっと欠けていると思えないような
 景色と自然がこんな手軽に楽しめるっていう、
 それは本当に凄い大きな魅力だと思うんですね」

上越国境に聳える谷川岳。
豪雪が創り出した岩尾根を辿(たど)り、花々に癒された山旅でした。

上越新幹線上毛高原駅から車で40分、谷川岳ベースプラザの前にある
土合口駅からロープウェーで上がって行きましたね。
天神平からニッコウキスゲ等、沢山の植物に触れあいましたね。
そしてスキーコースを歩き、天神峠へでした。
ブナ林の森を抜けるとギンリョウソウなどの植物が綺麗で、
そして岩場を歩き、蛇紋岩の滑りやすい道を登りましたね。
笹原を過ぎますといよいよ、トマの耳へ。
谷川岳からは沢山の山々が見えましたね。
特徴は新潟側がなだらかで、群馬県側は切れ落ちた崖ですね。
この豪雪の山、谷川岳はとても美しい水でも有名です。
いつまでもその美しい水が育む山であっていただきたいですね。





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