夏休み日記(5)
- カテゴリ:日記
- 2021/08/01 19:00:06
夏休み日記(5)
『ブッダの真理のことば・感興のことば』第16章に、
210: 愛する人と会うな.愛しない人とも会うな.
愛する人にあわないのは苦しい.
また愛しない人に会うのも苦しい.
211: それゆえに愛する人をつくるな.
愛する人を失うのはわざわいである.
愛する人を作るな.愛する人を
失うのはわざわいである.
愛する人も、憎む人もいない人々には、
わずらいの絆が存在しない.
——————〔ゴタぴょんの解説〕————————
「愛する人と会うな」と言われても、これは無理な話です.
愛すべき妻子、親兄弟に会うな、なんていわれたら出家する
以外に方法がなくなってしまいますから.
この210番と211番は「真理のことば」
(ダンマパダ)に
収められている教えですが、出家を誘っている教え
ではなく、一般人に向けられた説法のようです.
「愛する人」がすでにたくさんいる、というのが
普通だと思います.
そのうえで、このテキストをもう一度読んでみると、
「愛する人は、今いる人たちだけでいいから、
もうそれ以上は作らない方がいいよ.」
という風に解釈しましょう.
ネコ好きが、あちこちで、捨てネコを拾ってくる.
ネコカフェでもするのならいいのですが、
普通の家庭では、飼いネコの数には、限度というものが
あります.
数が多いのはわずらいのタネであります.
次に
「愛しない人と会うな」とはどういうことでしょうか?
まず答えから先に言うと、
「憎む人と会うな」と言っています.
世の中には「憎む人に出会ったことがない」という人も
いるらしいです.
こればかりは、性格や相性の問題も含みますから、
一般には実行が難しい教えです.
そこで、「前世」という考えをもち出します.
「憎たらしいやつ」は、前世からの因縁かも知れません.
仏さまは、菩提樹下で覚りを開いたとき、深い瞑想により
前世をいくつも見たと言います.「あの生涯、この生涯……」
と言っています.
そして様々な自分の生涯を見て、そこに因果の法則が
貫いているを見たと言います.
そこから12因縁を覚ったということらしいです.
私たちレベルでは、「憎たらしいやつ」と出会ったときは、
「私はこのひとを憎たらしいと思わないようにしよう」
と自分に言い聞かせて、自分も相手も意識しないように
なったら、210番と211番はクリアしたことになる
と思います.