ガイアの夜明け17
- カテゴリ:自作小説
- 2021/07/16 21:25:09
時刻は、12刻を過ぎていた。
列車は、かなり減ってパワーダウンしたバッテリーでなんとかモーターを動かし、微速走行を続けていた。桃次郎たちが住んでいた街を離れ、街らしき場所を通過し、湖の上を通過して、山の中腹を通過し、山と山に挟まれた渓谷を通過中であった。直線の線路といっても、緩やかにアップダウンはしていくのである。
E7系蒸気機関発電SL新幹線、名前は付いておらず、そのままなんだかSL新幹線と呼ばれている。その列車が、渓谷をゆっくりと走行している上空を、あの、翼のある馬へと変化した黒王に乗った赤座クリステルと吉良く郎のタカベーたちが通過していった。彼らは、列車の蒸気機関が動いていないことに気が付いた。
赤座クリステル:んん?あの列車、止まっているのか?タカベーよ!様子を見てくるがいい!
と?黒王は旋回して列車の上空へと高度を下げて戻ってきた。そして、タカベーは、ジャンプして列車の屋根の上へと降り立った。
ドン!!
列車内に屋根に何かが当たった様な音が広がった。
コナンくん?:なんだ?今の音は?
コナンくん?は、すぐさま桃次郎たちにそのことを伝えに行った。
桃次郎:屋根の上から音がしたんですか?分かりました。鬼かもしれません!みなさん!手を繋ぎ合って、お静かに!!
竜太:こっちの客人たちも、手を繋いで!さぁ!早く!!
タカベー改?は、スタ!と?屋根から陸地に降りた。
タカベー改?:おや?これは人間が乗っているなぁ~どれどれ・・・
と?列車の扉を開けた。ガザザザードン!
列車内に悲鳴が広がった。
客人たち:キャアーーーーー!!誰かが乗ってきたは!!
タカベー改?:ほっほ~うこんなにも人間が乗っていたとは。ご報告に、一人さらっていくとしよう。では、グイ!
と、客人の襟首をつかんで、列車内から引きずり出した。
キャアーーーーー!!助けてーーー!!
タカベー改?:うるさいなぁ~おとなしくしろ!赤座クリステル様にお会いできるのだから感謝するのだ!
竜太:ああ!客人が!!なんだと!!なんともないのか!!待て!!客人から手を離せ!!
タカベー改?:んん?ああ!!お前は!竜の玉を持っているな!!ちょうどいい、無惨様への手土産として、お前も連れていくとしよう。
竜太:俺を連れて行くだと?面白いことをいうな。俺は、デカくて重いぞ?あんた一人で運べれるか?
タカベー改?:なぁ~に、お前くらいの者であれば、担いでひょいっと、跳んでさらっていくさ。おらの跳躍力は鬼の中でも一番なんだ。オリンピックなんてもんは眼中に入らんだよ。
竜太:鬼の中でも一番?となると、無惨直属の者か?
タカベー改?:無惨様を知っている様だな。
竜太:いや、連れがそのような事を話していたもんでな。なんか直属の鬼ってあるんだろ?
タカベー改?:はぁ?誰かお前たちに出会ってたな?そうか、無惨様の連絡が届いていたのであろう。お前たちはラッキーだ。良かったなぁ~あ?
竜太:ラッキーだと!!
タカベー改?:そうだ。列車から降りて上を見るがいい。
竜太:上を見れだと?
と、竜太は、微速走行をしている列車から降りて、上空を見上げた。
竜太:なんだあれは?
赤座クリステル:んん?何者だ。タカベーは何をやっている。おい!その人間はなんだ!
タカベー改?:赤座様に差し上げようと、とっ捕まえて出てきたらこいつが、竜の玉を持っているやつが居まして・・・
赤座クリステル:なんだと?今は、竜の玉など気にしている場合ではない。せっかくだ。その人間は頂くが、竜の玉を持つ者よ!邪魔をするなら、この赤座が、お前を葬ってくれるは!!
バサーー!バサーー!バサーー!
桃次郎:ああ!竜太が!!ああ!客人が!!!効いていない!!おかしい・・・竜太がいながらなぜ客人は連れ出されてしまったのだろう!そこまでの効果はでないのか!!列車と列車の連結箇所でも手を繋いでいなきゃダメなのかも!!竜太!!今から僕もそっちへ行く!!
竜太:くるな!!こんな鬼など俺一人で十分だ。ただ、客人だけは頼む!!
タカベー改?:ほっほぉ~あのお方に一人で立ち向かうとは、どんな手を使うつもりなのか?是非、一度見せていただきたいものだぁ~
竜太:見たいか?見てしまったらお前たちは終わりだ。
タカベー改?:なんと!!一度でだかぁ~あ?そんなら試しに、この客人で試してみっぺか!
と?連れ出した客人に噛みつき、客人は鬼へとなってしまった。
竜太:良くも客人を!!客人には技は使わん!鬼となってしまった以上は、残念だが、この手で客人を始末しなければならない。
鬼になってしまった客人:竜太さん、あなたがおいしく見えます!食べさせてください!!
竜太:客人よ!この私に近寄るな!!
鬼になってしまった客人:せめて腕だけでも!!ジュル!(涎が出ている。)
コンナくん?:乗客が!鬼に変わった!!鬼になるとあーなってしまうんだ!!他のみんなは!!手を取り合って座ったまま震えている!!車掌さんはまだ眠りから覚めないのか!!
と、コナンくん?は、再び先頭車両へと走って行った。
竜太は、食べようと近寄ってくる客人に対して、刀を握りだした。
鬼になってしまった客人:もう我慢できない!!頂きま~す!!!
と、客人は跳びかかってきた!!
だが・・・
跳びかかってきた客人:うぎゃああああああああ!!目が!!見えない!!
赤座クリステル:なんだ?やつに触れてもいないというのに、あのように!!
タカベー改?:なんだぁ~?何か見えない何かかがあるんだべか???
竜太:客人よ、これがあなたへのせめてもの、桃次郎に代わってお礼の一太刀で、あなたを楽にさせてあげます。ズシャ!!
と、刀で鬼となってしまった客人を斬りつけた。
竜太:やすらかに眠ってください。またいつの日か、竈で出会いましょう。さらば!客人よ!!(泣)
鬼となってしまった客人は、頭上から下まで真っ二つに斬られ、そして、溶けるように消えて行った。
赤座クリステル:なんと!あの者の刀は、切り口から鬼を消滅させていくのか!
竜の玉を持ったものよ!お前たちとの闘い、この赤座も!全力で立ち向かわねばならぬ存在であった。この星に来て、我々だけではなく、やはりおぬしらも・・・いいものを見せてもらったは!!いつの日か、また会おうぞ!!タカベー!!行くぞ!!
タカベー改?:あああ!はい!赤座様!!
と、たかべー改は、ジャンプして黒王に跨った。
赤座クリステル:後ろだ!!
タカベー改?:あれ?ほっ!(ジャンプして赤座の後ろに跨った。)
バサーー!バサーー!バサーー!!ギャーオーーーン!!バサーー!バサーー!
赤座たちは去って行った。
E7系蒸気機関発電SL新幹線は、微速走行中であ~る。
つづく・・・