仮想劇場『お友達のつくりかた』
- カテゴリ:自作小説
- 2021/07/16 10:33:39
通りを歩いてて突然にだよ? バチバチっと目があって電気が奔ってさ
(お、僕この人とは分かち合えそう)なんて直感があってお友達になるって話
無いとは言わないけど、まぁまず無いでしょ
あったとしてもそれはもう恋と同義だよ?
ぐちょぐちょでずるずるの目も当てられない出逢いだよ
とかなんとかいうやりとりを随分昔に町の教会で聞いたことがある。
そのときは(ふぅん、そうなんだ)なんて生返事したけど、今ならちょっとだけわかる気がする。感覚的な繋がりって結局は恋愛なんだなぁっ、て。
そしてこんな言葉が頭の中でリフレインする。
(じゃあ友達ってなんなんだよ?)
実際の問題として僕はなんだかんだと他人との繋がりを嫌って今もここにいるわけで。実際の問題として寂しいといえば寂しいわけだ。
かといって積極的、かつ直線的に誰かとの縁を結びたいとはいまだに思えない。
まるで地縛霊のような心持で今日も町の中に居て、そして誰に綾(アヤ)をつけるでもなく横滑りな会話を心の外側で展開している。
同じ顔触れの中に身を置いて、同じあいさつで始まり同じように押し黙り、そして同じ角度で天に向かって消えていくのだ。
「ばっかじぁねぇの? ほんとは友達欲しいくせに!」
目の前にいる旧知の男がそうほざいて机の端を叩いた。
彼とはもう10年の付き合いになる。
忘れたころにやってきて、こちらが忘れていた痛い過去を無駄に掘り起こし、まったく同じ勢いで叱咤激励ってやつを僕にくれる暇な男。
試しに「きみは僕の友達か?」と聞いてみると、彼は一瞬キョトンとして、それからひどく悪い顔になり、そして机の端をまた目いっぱいに叩いてこう返してきた。
「お前と!俺は!恋敵だよ‼」
今度は僕のほうがキョトンと間抜け顔を晒した。
(え? どこの? 誰の?)としつこく繰り返したわけだが、彼の言うその恋の矛先を最後まで言い当てることはできなかった。
結局、何の話を書きたかったかって言うと、
「友達ってほんっと作るの難しいね」ってこと。
彼が言うには、お前はなんでも難しく考えすぎなんだって
「友達なんてのはパっと繋いで、ワっと騒いで、サっと離れる程度で充分なんだよ」
だそうだ。
それってつまるところは、赤の他人と大差ないんじゃないの? って言い返しそうになったけどやめた。
別れ際に彼が「ぐちょぐちょでずるずるの目も当てられない出逢いでいいじゃないか」と漏らした。
そしてその言葉が【友との出逢い】そのものに掛かっていたのか、【恋との出逢い】に掛かっていたのかを今、僕はぼんやりとした頭で考えている最中である。
親密度があがるたびにワードのエグみが増していくシステムですねw
あたらしいかも
友達の定義に、何段階かあるってのはどうでしょう?
適当に戯れている状態:友達。一緒に何かに向かって同じことをやっている状態:友達ダニ。仲間に近い、一緒にお風呂にまで入ったかの様な:トモダチンコ&トモダマ〇コ?・・・失礼致しましたぁ~・・・
今気が付きました&意味がわかりました
2021/07/16 13:09のコメントはミディアムボーイさん宛です。すみません。
わたしの場合、特にSNSだと
・面白いか面白くないか、
・興味範囲と価値観がある程度重なっていて
コミュニケーション頻度が一定以上になるか、
が境目で、友達と仲間が融合しがちです
2021/07/16 13:09
ロワゾ―さん>
空さんの上記タイムスタンプのレスポンス先が、
わたしになっているのですが、おそらくはミディアムボーイさん宛ですよね、という文脈です
出来る人には簡単にできることが上手にできないもどかしさ
僕の個人的所感では、
共通の目的を必要としない気を許せる相手=友達ですね
その定義で言えば僕の場合【友達】よりも、共通の目的をもった【仲間】を必要としてきたように思いますです。
個人的所感としては、
①距離感遠め、楽しい知人に近い ②精神的な泥まで(配慮しつつ)共有するごく数人
が友達の定義ですw
悩んでる青春がかわいいなあと作中僕に思いました
むずかしく考えちゃダメー
むずかしく考えちゃダメー
むずかしく考えちゃ・・・・
って、やっぱ考えちゃいますよね
だって僕らにとっては難しい事だもん