Nicotto Town




仇も羨む夜露の刻に

 空を赤々と染める大輪の華

いつぞやの心細いを
 一瞬で奪っう太々しさよ

 其れは香しい匂いも放ちもせず
 只 誰もが心を奪われ、立ち止まる

 空に輝く 一筋の雅は 
  今も昔も変わらずに
   唯 唯
 寂しい褥にゆるゆる、と
   只 只
 独り眺めるにはみずぼらしい

 誰もが寄り添い
 誰もが歓喜をあげ
 誰もが其の艶やかさに見惚れ
 
  刻も酣
 著しいも おひさに
  伽の言の葉認めれば

 ゆるゆる、と 適わぬから故の
  心憎き一入に 途方に暮れて

    迷の道へと
   入ったつもりが
   其の眩しさに
    いつの間にか
    其処に立っていた

  赤赤と染めれ
   艶やかに弛まなく
    心に止まった
     蜻蛉

  あたい、だけじゃないんだよって
   憎いね、ぼやくんだからさ

 





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