Nicotto Town



仮想劇場『それでもまた陽は昇りやがる』


 相も変わらず似たような日々をローテーションしている。
 朝はバス停で今日の瞬きの場所を知り、
 誰と話すでもなく教会前の椅子に一人腰掛け、
 流れる会話に疲れたら教会のベンチで独り事を呟いている。

 そこで物思いにふけるでもなく日常に集中するでもなく。
 実生活の隙間を埋めているような感覚。
 そして町の喧騒から逃れるように青空のカフェへ。

 下世話な言い方をすれば自分の居場所を探している。
 上手くは言えないが他人との距離の保ち方がすこぶる下手だ。
 そんな愚痴を歌にして他人事のように口笛を吹き、
 そして今日も1日が淡々と過ぎていく。

 僕のこの感情が『憂い』と言うのなら、
 おそらくはこの町の大半の人が
 似たり寄ったりの憂いを抱いて生きていると思う。
 つまりはありきたりで平凡な日常。
 ここはどこまでも平和で最高のステージだ。




 




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