Nicotto Town



24冊目、読了!

「名もなき毒」  宮部 みゆき  著


宮部作品の2冊目、はじめうっかり「名もなき妻(つま)」と思い込んでしまった。読みだしたら毒殺された事件に絡む話なので、改めてタイトルを見て苦笑してしまった次第だ。

最初に青酸カリで殺害された事件が発生した。その事件を軸に、毒の入った烏龍茶を売ったコンビニの店長と店員、殺された男性の遺された家族、家族の相談に乗った私立探偵。もう一つの軸に大手企業の会長の娘婿の主人公の仕事先である編集部の面々。そして、元アルバイトの女を準主人公のようにずっと登場させている。また、自宅の引っ越しの際の出来事や登場人物の持病として喘息などを上げ、シックハウス症候群や土壌汚染の環境問題をさりげなく取り上げている。

超が付く位の好人物の主人公であるが、なぜか事件が寄ってくる。そして、首を突っ込み周囲をハラハラさせ、心配をかけてしまう。最後は自分の家族を危ない目に合わせてしまうのだが、何とか救出されひと安心する。しかし、引っ越したばかりの家も出ることになりそうで寂しい思いを抱いてしまう。

幸せってもろいものだ、何かをきっかけにすぐ壊れてしまう。世の中のすべてに腹を立てて、自分は殺人を犯してもいい権利があると。自分はこんなに苦しんでいるのだから、誰かを殺して同じ目に合わせてもいいじゃないかと思っていた。これは、青酸カリの殺人犯だった青年が言った言葉であるが、結局うさは晴れず何もならなかった。その選択は間違っていたと元アルバイトの女性を説得する場面がある。この心理って、犯罪者や嫌がらせをする人、いじめる人に確かにあると思う。

人は多かれ少なかれ毒を持っている。そしてそれを上手に吐き出せているか、増殖させているか・・・。私立探偵は元警察官であった。毎日仕事で事件の後始末をしているのに嫌気がさして、あまり収入の見込めない私立探偵になった。少しでも人の為になることをしたかったからだそうだ。この世の毒を清める、解毒剤になるのにはどうしたらよいか試行錯誤した結果だった。その時は家族に理解してもらえなかったが、数年後には奥様にはわかってもらえた。

誰もがなるべく「人間の毒」を気にしないように生きようとしている現状であるが、毒に触れてしまった時はどうしたらいいだろう。しっかりと自分を分析できる力を付けるとか、助けてくれるような人脈を作っておくとか、考えるときりがない。内容は、単なる刑事ものの犯人捜しと違い人情のある優しい社会派推理小説であったと自分は思う。


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2021/06/16 21:45
こんばんは、そうなんでしょうね~でもサークルは苦手なので^^;

良いんですよ~今のままで。

勤めてお立ち台を狙っているわけではないので^^;
いつもありがとうございます(^ー^*)

私もお友達の皆さんは理由を知っていますから。
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2021/06/15 21:21
こんばんは、お洗濯ものがすっきり乾いたようで

良かったですね。こちらは先ほどらいからずっと雨なんですよ^^;
明日は朝から雨かな?
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2021/06/15 10:12
大喜さん、私もそのニュースは聞きましたというかネットで見ました。

犯罪は犯した本人の罪なのです。しかし、
血縁関係だというだけで、家族や何の関係もない周りの人まで不幸にしてしまうのですね。
そういう人たちは、一見被害者に見えますが
本当は少なからず加害者でもある気がします。
子育てを間違ったり、見て見ぬふりだったりということもあり得ますから。

私は、「性悪説」を支持します。あくまで私の考えです。
生まれたままで何もしつけや教育を受けないままだと
「人間の毒」がどんどん増殖してしまうのではないかと思います。
だから、周りの力を借りて生き続けることにより、学習し「善」に向けて成長していく。
年を重ねていく度に「悟り」のような気付きがあるのかなと思っています。

最近の高齢者は、よくわからない人も多いですけど・・・(笑)
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2021/06/15 06:47
毒と妻・・・なんとなく見間違いそうです(笑)
そういえば、和歌山カレー事件の林死刑囚の事件当時は中学生だった娘が関西空港で自殺したそうです
他にも家族は犯罪とは関係ないのに、周囲に追い詰められたのか?林死刑囚の孫まで亡くなってます
「人間の毒」は怖いです

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2021/06/14 23:37
結さん、ご心配頂きありがとうございます。
大丈夫です!(笑)
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2021/06/14 21:35
こんばんは

>今日は深谷市の名士渋沢栄一の縁の地を巡ってきました。
帰りは雷雨に見舞われ、傘をさしていてもびしょびしょになりました。

”水も下たる美女~~”だったかな?

風邪をひかないように気を付けてくださいね^^;

この時期の雨は身体を冷やしますから^^
今週も頑張りましょうね~~
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2021/06/13 23:51
結さん、コメントありがとうございます。

本当に最近の小説を読むと、深いところにはいじめやパワハラ、DVなどが根源にあるというものが多いのに驚いています。そしてその発散方法が恐ろしいか、はたまた哀しい結末になるか両極端ですね。
ノンフィクションだと言っても、原田いずみについては本人もそうなんだろうけど、どうしようもない怒りと、社会から断絶することの痛々しいほどの孤独を私も感じました。
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2021/06/13 20:16
こんばんは、現代でよく目にし耳にする「人間の毒」パワハラいじめですね。

ストレスを人にぶつけないと気が済まない人、それも泣いても心から血が噴き出しても

止められない人。

哀れだと思います。人を追い詰めた人は何時か同じ報いを受けます。

私も数多のパワハラに遭いましたが。。。
なればこそ人にやさしくありたいといつも思います。



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