Nicotto Town



仮想劇場『口約束』


 証文なんてそもそもいらないの
 信頼関係がどうとかって話でもない
 自分が覚えていたから約束を反故にしないだけで
 記憶から完全にロストした事はそもそも無かった事と同じなの

 逆に覚えているのにしらばっくれるのは上手じゃない
 適えられない事なら素直に詫びたほうがずっと気が楽だし
 僕はいつだって適えられる事だけを努力していくひと
 出来ないことはどうやったって結局はできないんだし
 そもそも出来ない約束を安請け合いするほど間抜けでもないし



 数年越しに果された互いの約束事は
 明日への一筋の光明になり得るだろうか
 あの時、あの場面で思い描いた未来図より
 現実ははるかに残忍で無表情のまま今を迎えた

 それでもこの顔のまま壁を突き破っていくしかない
 それは今も昔も何一つ変わらず此処にある僕の宿命なのだ










 




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