Nicotto Town



仮想劇場『掌に答えを放ってくれる人』


相も変わらずチャペルの庇に腰掛け
ちょっとだけ未来の事を考えている

晴天下の虚空と孤独
昨夜の残り香に酔いながら
梅雨の訪れを待ちわびる時間
アジサイの咲く季節は嫌いじゃない
雨はいつだって叙情的だ
現実以上の現実として心の在処を映してくれる


何をしたくてこの町にいるのか
何を成すためにこの町に残ったか
そんな自問自責はいつものこと
誰かに言われて繰り返しているわけではない
せめて後付けの言い訳でも構わないから
何か一つだけでも明確な理由がほしい

心が震える苦しみがある
感情とは真逆の世界から訪れる欲求の一撃
その痛みがもたらす切なさは妙に暖かい
無言の時間に手のひらをじっと汗ばませる感覚
そして寂しさを寂しさ以上のものに変えてしまう感覚
その汗を僕にくれるのは今も変わらず君ひとりだ










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