Nicotto Town



親爺殺しのピーターグリーン祭り



参った。輸入盤注文します。全部観たいもの。
昨年2月、ミックフリートウッドがピーターグリーンの功績を讃えるため、
豪華メンツを集めて開催したコンサート、無料動画だけじゃ満足できませぬ。

どこから書くべきか……書くことだらけで困りますね。
まずフリートウッドマックというバンドのことかな。
初期のコテコテブルース期、後期のポップロック期、どちらも大好き。

『噂』という化物アルバムも全曲好きだし、
全く人気のない中期を支えたボブ・ウェルチも大好物ですが、
一般的オヤジ人気は初期のピーター・グリーン時代に集中します。

ブリティッシュブルースを代表するギタリストの一人でありまして、
個性的な楽曲も多く残している。彼は昨年7月に逝去してます。
このライブは結果的に、グリーン追悼といった意味合いも備えてしまいました。

次に初期マックの特異性、なんといってもトリプルギター体制でしょう。
グリーン、これも亡くなったダニーカーワン、そしてジェレミースペンサー。
初期マックのファンにはジェレミースペンサーを好む人も多い。

三大キング直系のグリーンvsエルモア・ジェイムズ狂のスペンサー、
この構図が良かったんです。スペンサー経由でエルモア聴く人も多かった。
トリプルギターってこの後、レイナードスキナードまで無かったんじゃないかな。

さて本題、とんでもないメンツ集めて初期マックのナンバーを演ってます。
ジョニーラング、アンディフェアウェザーロウ、スティーブンタイラー、
ビリーギボンズ、デイブギルモア、ピートタウンゼント、ノエルギャラガー、

ビルワイマン、カークハメット、御大ジョンメイオール、
クリスティンマクヴィー、ザックスターキー……嬉しかったのは、
無理と思われてたジェレミースペンサーの参加です。

グリーンを敬愛するギタリストたちは彼を意識したプレイを心がけてますが、
いちばん素晴らしいのはほぼ全編通して弾いている、
マック末期にも参加してたリック・ヴィトーの演奏。グリーン度97%です。

あがってる動画は全部観ました。還暦オヤジは感涙に咽ぶでしょう。
ピーターグリーンよりもポールコゾフ、スタンウェブに心酔する私にも、
グリーンの遺産というべき音楽の良さがひしひし伝わる名演だらけです。

音もやたら良い。複数のギターをちゃんと聴き分けられるバランス。
『Oh Well』パート1のカッコよさときたら、鼻血出そうです。
流石グリンジョーンズ、ファンの求めるものを分かってらっしゃいます。

今のところベストはジェレミースペンサーの『Sky is Crying』かな。
「……え。……え!?」という聴衆の驚愕した空気が臨場感たっぷり、
ビルワイマンをわざわざ連れてきてここで弾かせるいう演出も凄い。

選曲・メンツ・録音・映像全て文句なしだけど、唯一残念なのは、
ジョンマクヴィーの不参加です。マックのサウンドの要であったのは、
マック不動のミックフリートウッドとマクヴィーのリズム隊だと思うので。

プレイヤーとしてフォロワーがいるほどの人気ではないけど、
ブリティッシュ屈指の名リズムセクションである二人のリズム、
初期から『噂』まで一貫してイギリスっぽかった。そこだけが残念かな。

半世紀前の楽曲が中心です、若い人に強く勧める気はないんですが、
こういう時代、音楽も何度目かの原点回帰的風潮を迎えてます。
ブルースベースドミュージックとしてのロックを知るには良い盤でしょう。

還暦過ぎてギター5本以上持ってる方、必ず買いましょう。
爺どもの同窓会的トリビュート物って嫌いで、ほとんど買わないんですが、
2007年のツェッペリン『祭典の日』と並ぶ名DVDでは仕方ありませんよね。




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