仮想劇場『すれちがい』
- カテゴリ:自作小説
- 2021/05/07 00:39:06
うまくいかないとき
大切なひととも切ないほど行違うもの
たとえうまくいっていたとしても
縁の遠さを痛感させられるときもある
青い猫ともこの頃はすれ違いばかりで
声をかけた時にはもう目の前にいない
そんな子ウサギのようなか細き夜に
顔を合わせないようにしていたひとにあった
消したはずの衝動が無情にも甦る
手のひらの感触
唇の感触
汗の匂い
塞ごうとすればするほど
傷口の残り香はあふれ出すばかりだ
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