1004番:星の王子さま(10)【7回目】
- カテゴリ:日記
- 2021/05/03 10:10:02
星の王子さま(10)
「サンテグジュペリ機追跡60年」の記事3が紛失し
てしまいましたので、記事4からお読みください.
(紛失してすみません.)
海底から回収されたサンテグジュペリ機の残骸で、
一番の大物は、左の着陸装置だ.背丈ほどのパイプ
で、ダイバー、リュック・バンレル氏がリウ島近く
の水深85m地点で発見した.
ベアリングに手で触ると、驚いたこtpに60年
も海の中に沈んでいたというのに軽く回った.洗浄
し、さび止めの油を塗っているという.その後ろに、
空気を圧縮するターボ・スーパーチャージャー(過
給機)と製造番号が見つかった左胴体のエンジンカ
バーが置いてあった.
高高度で空気を圧縮してエンジンに送り込むターボ・
スーパーチャージャーは当時の最新技術.P-38ラ
イトニング機はこれがあるため、1万メートルを高速
で跳ぶことができ、ドイツや日本の戦闘機を寄せ付け
なかった.それが前後に押しつぶされ、ひとかたまり
になっている.空気を圧縮する羽根は、かたまりの中
にめり込んでいた.
鋼鉄製のターボ・スーパーチャージャーがこれだけ
押しつぶされるには、ものすごい力が加わらなければ
ならない.
「時速600㌔以上のスピードでしょう.それも、
ほぼ垂直に墜落したと考えられる.
引き揚げ調査団の1人、フィリップ・カステラーノ
氏は説明した. カステラーノ氏は、第二次大戦中に
戦闘で地中海海域に沈んだ戦闘機などに詳しい歴史家
である.
海中土木会社「GEOCEAN」の社長、ピエール・ベ
ケール氏も、同じ意見だ.しかも、そのような速度で
墜落した場合には、海面はあたかも鋼鉄か岩盤のよう
に固く、機体は粉々になって周辺に飛び散る.
シナイ半島端のダイビングスポット、シャルムエル
シェイクを飛び立ったエジプトのチャーター便が今年
1月3日、墜落した.乗客のほとんどがフランス人観
光客だったことから、ベケール氏も現場に向かって捜
索にあたった.
このときも、旅客機は高速で墜落したためにボーイ
ング737型機の機体は衝撃で粉々に砕け、海底に沈
んだ.もちろん、乗客の遺体は形をとどめず、遺品を
見つけるのにも苦労した.
サンテグジュペリ機も同じように、ほぼ垂直に猛ス
ピードでまっさかさまに墜落、木っ端みじんになって、
飛び散ったとみられる.
このあたりの海の深さは、30数メートルから百数
十メートル.砂地の海底で、絶好の漁場になっている.
このために破片はトロールの網にかかって運ばれ、遠
くに投棄されることもあって、ますます広く散らばっ
たらしい.
海中考古学者で、教師、ジャン・クロード・カイヨ
ル氏が発見した左尾翼の部分は着陸装置がみつかった
リウ島から9㌔近くも離れたカッシデーニュ灯台の下、
水深37㍍にあった.
サンテグジュペリ機がなぜ、このような墜落の仕方
をしたのか––––.拾い集められた機体には、銃撃を受
けた痕跡がないことも分かった.戦闘で撃墜されたわけ
でもないようだ.となると、墜落の原因としては何らか
の故障、作家の体調不良、酸素不足、意識不明などが考
えられる.
当時、作家は
極度に悲観的になっていたことが知られ
ており、調査団は可能性としては自殺も否定できないと
いう.コルシカ島のレーダーが海面すれすれに超低空で
北に飛んで行くのをとらえたのが、サンテグジュペリ機
の最後の記録だ.
白昼の出来事にもかかわらず、これまでのところ確かな
目撃情報はない. 従って墜落か、フランス上空偵察の前
か後かもはっきりしない.新たな「謎」が、生まれた.
(ジャーナリスト、横山三四郎氏、サンテグジュペリ追跡
60年4、サンケイ新聞2004年3月29日付け)
も
『星の王子さま』(購読7回目)
Le Petit Prince
【7】
J'ai ainsi eu, au cours de ma vie, des tas de
contacts avec des tas de gens sérieux. J'ai beau-
coup vécu chez les grandes personnes. Je les ai
vues de trés prés. Ça n'a pas trop amélioré mon
opinion.
–––––訳——
こうして私は自分の人生の中で、たくさんの
真面目な人たちとかかわりをもつこととなった.
大人たちのもとで、私は多くの経験をした.私は
彼らを間近で見た. そうであっても、私は自分の
見解をあまり修正することはなかった.
《語句》
tas (m) 山積み des tas de たくさんの
amélioré <améliorer (他) 改良する、改善する
② 手直しする、調整する.
au cours de ~の間に、~の期間中に
contacts <contact (m) 接触、交際、親密な関係
vécu (過去分詞) < vivre (自) 生きる、暮らす、
生計を立てる (他) を生きる、(日々を)送る
②を体験する ③実践する、生きる
amour que j'ai vécu dans l'enthousiasme.
私が夢中になって生きた恋
vivre sa foi 信仰に生きる
≪念のために≫
念のため質問:「1行目eu の目的語は何ですか?」
cours でも vie でもないですよ. contacts です.
avoir contact avec ~ と付き合いがある、付き合いをもつ
でからね. eu の姿を見て、即座にavoir の過去分詞だと
見破ってください. 剣豪が殺気を見破るように.
「む、殺気だ.」「死ねー」カキーン、カキーン
「やられた~」
「・・変位抜刀霞切...」カムイは立ち去った [完]