Nicotto Town



18冊目、読了!

「今度産まれたら」 内館  牧子 著


たまたま、絵画クラブの仲間に「面白いから読んでみて!」と頂いた。有名な作家なのに初めて読んだ。

70歳を迎えた主人公夫婦と3つ上の姉夫婦、自分の息子夫婦や姪夫婦の話、それに独身主義の息子の話など。一見何も問題も不満もないような世間一般の夫婦なのだが、70歳になりふと思う、今の暮らしぶりや今までの二人の関係を考える。いつかは行く道の自分も、読み進むうちにやっぱり考えさせられる。

若いころは、心とは裏腹に人に忖度をしながら玉の輿に乗ることを考え、人も羨む結婚に成功した主人公。夫のちょっとした事件でエリートコースから外れ、海外に立ち上げる法人社長の夢が藻屑と消え、社内でも名ばかりの部長職になってしまった夫。しかし、その後も会社を辞めずに退職まで勤め上げた夫と専業主婦の自分といかに余生を生き抜くか。今はまだ若いと言われる70歳、でも、若いころと比べると体力も気力も違う。「人生100年」と言われてもピンとこないが、平均寿命ぐらいは生きることができるだろうからと模索する。

この本では、夫婦関係を軸にしている。生まれ変わってもこの人と結婚したいとかしたくないとか、絶対この人と結婚すると言っていた姉は離婚し、したくないと思っていた自分は、この人で良かったかも?!と思うようになった。我が夫は死ぬ時になってみないと判らないと言っている。(笑)

結局のところ、老後を二人でどのように生きるかというのが大きな課題であった。知らないうちに夫も歩こう会の募金活動を立ち上げていた。自分も趣味が生かせて、なおかつ、今までお世話になった社会に恩返しできる何かをやりたい。そして、ようやく見つけたデイサービス施設の花壇づくり。好きな園芸で生きがいを見つけられた。

「人生の岐路に立つ」というが、その時々の選択で人生は変わってくると確かに思う。今の生活に不満はないし、過去の自分を否定する気もないが、もし、生まれ変われるものならば、また違った人生も歩んでみるのもいいかなと思うこの頃である。

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2021/05/05 13:15
大喜さん、コメントありがとうございます。
そうですね。人生は面白いと思います。
ちょっとした判断で良い方に転んだり、またその逆立ったりして・・・

今読んでいるのは、現都知事の話です。
余りに偽りで固めた人物なので驚いています。これもまた面白い人生なんでしょうね。
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2021/05/05 07:27
内館牧子・・・どっかで見た名前と思ったら・・・元横綱審議委員のあのおばちゃんか!
女性唯一の横綱審議委員として「朝青龍の天敵」「横審の魔女」の異名を冠するおばちゃんが
こんな小説を書いてるんですね
厳しい反面、人情家でもあり、心臓弁膜症で倒れ緊急入院・手術して大相撲稽古総見で復帰の際、朝青龍の方から内館に近寄り「先生大丈夫ですか?心配しましたよ。元気になって良かったですね」と語りながら笑顔でハグされると、内館も思わず笑みを返した。その後内館は、記者陣に対し「(朝青龍は)まるで(豊臣)秀吉みたいな『人誑(たら)し』だわ。『天敵』の私を喜ばせるんだから」と皮肉交じりにコメントしてたのも印象的でした
調べてみたら、あさドラの「ひらり」(どうりで相撲部屋が出てきたわけだ!)や大河ドラマ『毛利元就』(原作:永井路子)の脚本などもやってるんですね
「人生の岐路に立つ」かあ・・・未来は決まっているのではなくその時その時の選択で未来が変わる
生きるということは面白い
晩年に差し掛かって思い返して、そう悪い人生ではなかったな!と思える人生でありたい
なにより、自分の魂に正直に生きたいと思っています



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