ワクチン接種における死亡例について(mirror
- カテゴリ:日記
- 2021/04/11 22:36:24
アストラゼネカのワクチン接種後に静脈血栓で死亡例が出た件について,原因が明らかになりました.
情報は一昨日のNEJM掲載の記事より.
【Thrombosis and Thrombocytopenia after ChAdOx1 nCoV-19 Vaccination】
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2104882?query=featured_coronavirus
We report findings in five patients who presented with venous thrombosis and thrombocytopenia 7 to 10 days after receiving the first dose of the ChAdOx1 nCoV-19 adenoviral vector vaccine(中略)we refer to as vaccine-induced immune thrombotic thrombocytopenia.
(意訳:13万人以上のワクチン接種者のうち5人に静脈血栓症と血小板減少症が起こりました.患者の年齢は32~54歳,アデノウイルスベクターワクチン投与から7〜10日後に発症しています.
原因はヘパリン起因性血小板減少症と思われ,"ワクチン誘発性免疫性血栓性血小板減少症"とします.
しかし患者はいままでにヘパリンを使用した事はありませんでした.)
[ヘパリン起因性血小板減少症]自体は既にある病気(状態)なので,これに対する対応はわかっています.
(リスクの事前検査も出来ます)
…でも"ヘパリンて何?","血小板減少症"でなぜ血栓?という疑問がありそうです.
簡単に説明すると,ヘパリンは薬です.
オペの経験がある方は知っているかもしれませんが,血を固まらなくするお薬ですね.
血小板は血を固める役目がありますが,"これから血を固めますよ"という時に特有の蛋白質を出します.これとヘパリンがくっつくことで血を固めるための準備ができない→血が固まらないという作用になります.
じゃあ,血を固まらなくして血栓?血小板減少で血栓?ということについては,稀にこの状態(血小板由来の蛋白質(名前はP4))に対して抗体ができる事が原因で,これを"ヘパリン起因性血小板減少症"と呼びます.
更に詳しい説明がほしい方は↓URLをご覧ください(日本語).
【ヘパリンとは】
https://www.pmda.go.jp/files/000144347.pdf
【ヘパリン起因性血小板減少症とは】
https://www.nanbyou.or.jp/entry/2241
これとよく似た状態がワクチン(アストラゼネカ)で起こったことで"ワクチン誘発性免疫性血栓性血小板減少症"と呼称されることになりました.
稀…ではあるものの,個人的にはこれは新型コロナ感染症予防接種というのではなく,そのワクチンに使用されているアデノウイルスベクターが悪さしているのだろうと思っています.
アデノウイルスベクターが悪いわけではないのでこういう言い方は良くないですが(原因ではあるかと).
同じ系統のJ&Jのワクチンでも血栓が報告されていますね.
【J&Jワクチンで血栓報告】(日本語)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM100IV0Q1A410C2000000/
関係ないですが,"ChAdOx1nCoV-19"という名前,憶えにくいですね.
ChンパンジーAdノウイルスOxフォードですね(笑)
しかしもし選べるならmRNAを,特に女性には使ってほしいとは思います.
本文にある副反応は女性に多いようだからですが,しかしまだそれについては現状での結果で仕組みは明らかになっていないので今後覆ることも考慮して今回は触れませんでした.
私はまた別の理由でmRNAを打ちたいですけれどね…ずっと期待して見てきた技術が現実となったのにベクターに割り振られるのはなんだか寂しいです.
だるさや局所の腫れ程度の副反応は,免疫が動いてくれていると分かるので寧ろあってほしいと私は思っています.インフルエンザでは何ともなくて自分の免疫に疑念を持ち続けています^^;
2回目接種後の副反応は結構な確率と発表されていました。
帰宅後発熱等の副反応が出る事もあるかも知れませんが、
リスクが多少あっても私はワクチンを受けたいと思っています。