Nicotto Town


五飯田八宝菜の語学学習日記


926番:アルト・ハイデルベルク(73)(74)

【73】
Doktor.  Du weißt ja gar nicht, wie's aussiet draußen ! Du
   hast ja keine Ahnung. Du kennst ja nur Kammerherren
   und Lakaien, Karl Heinz. Du hast ja nie was gesehen !

Karl Heinrich.  Nicht übertreiben, Doktor !
               

               ——訳——
博士 : 君は(城の)外がどういうふうなのか全く
 知らないのだ!皆目、見当もつかない.君が
 知っているのはただ侍従と従僕だけさ.カール・ハ
 インツ、君は決して何も見たことがないんだよ.
カール
ハインリヒ:  博士、大げさすぎますよ.


                《語彙》
* 今回より既出単語であってもその旨を記しません.
 忘れていても気軽に読み進めましょう!ここは学校
 じゃないから!
 【方針】忘れることは自由だ!思い出したら儲けもの.
*今回より女性名詞  {_/_en}  は(女弱)と記します.
 女性弱変化の略です. 戦前の女性のことではありません.
 語尾がe で終わる名詞 {_/_n}も混乱のない限り(女弱).
die Ahnung {女弱}  予感
     ② 漠然とした理解、見当、心当たり
   Keine Ahnung ! (人に聞かれて)全然わかりません.
aussiet <aus/sehen ~のように見える
Kammerherren  <der Kammerherr (男弱)(史)侍従
   領主の部屋の出入りが侍従章(der Kammerherrenschlüssel )
(黄金の鍵型デザイン)で許されていた.
Lakaien (m,pl) <Lakai (男弱) ≪古語≫ √フランス語
   (王侯貴族に仕える)従者、従僕
   (お仕着せを着た)召使い、従者
nie (副) 決して~ない 
übertreiben (他、4格を) 誇張する、大げさに言う
  Ich übertreibe nicht, wenn ich sage, dass... 
   ...と言っても過言ではない


        【74】
Doktor  Laß mich ausreden, zum Kukuk noch 'mal !  
  Ich sage Dir, Du hast nichts gesehen ! keine Menschen,
  keine Burschen, keine Mädels,—— wenn auch just das
  vielleicht nicht die Hauptsache ist,——Du bist ja noch
  nicht einmal allein über eine Straße gegangen.

Karl Heinrich.  Darauf kommt's schließlich nicht an.

Doktor.  Ja, mein Junge, darauf kommt's an. Nur darauf,
  daß jemand allein über die Straße geht und gehen darf.
  Komm'mit. (Will gehen, hält noch einmal an, glücklich
  beide Hände auf Karl Heinrichs Schultern legend.)
  O mein lieber Karl Heinz,  Du sollst Augen machen !
  Heidelberg !  Du sollst Augen machen !


                ——訳——
博士:とことん言わせてくれ給え!言っておくが
  君は何もみたことがないんだよ.人間というもの
  を、若者という連中を、女の子のことも知らない
  でいる——  たとえ、それがまさに重要だという
  わけではないにしてもだ.——君はまだひとりで
  通りを歩いたことが一度もない.

カール
ハインリヒ:そのことは所詮重要なことではありません.

博士:君、それは重要なのだ.ひとりで歩く、ひとり
  で歩けると言うことが最も大切なことなのだよ.
 (行こうとするが、もう一度立ち止まって、うれしそ
  うに両手をカール・ハインリヒの両肩に置いた.
    おお、我が親愛なるカール・ハインツ、君は目を
  開き給え!目を開き給え!


                 《語彙》    
ausreden (自/h) 終りまで話す
 (他) (4格)+ ausreden lassen
    (4格)の話を最後まで聞く
  (3格に4格を)思いとどまるよう説得する
zum Kukuk noch 'mal ! (俗)こんちくしょう、うせやがれ
  一国の皇太子にこのような品のない言葉使いは
  しないはずです.ここは字義通りカッコーの鳴く
  まで、つまり、「すっかり」、「存分に」、「最後まで」
  などの意味で使っていると思います.
    zum Kukuk ですが、あちらの国の鳩時計はカッコー
  (ポッポーではない)が鳴くので「時間が来るまで」
  という意味解釈でよろしいかと思います.
  「すっかり」という訳語は「春になるまで時間を
  たっぷりかける」という解釈によるものです.
  ドイツでは、カッコーは春に鳴くので、
  「春まで待ってね」みたいな意味が生じるのでしょう.
  尚、原文側のスペルでは辞書掲載はありません.
  現代ドイツ語のスペルではKukuk はKuckuck(m){_s/_e}  
Burschen (pl)<der Bursche {_n/_n} 若者、青年
das Mädel {_s/_.}(南ドイツ・オーストリア) 娘、少女、女の子
die Hauptsache {_/_n} 主要なこと、もっとも重要な問題
just [発音ユスト](副) ちょうど、まさに、たった今   √ラテン語
wenn たとえ~だったとしても(接続法Ⅱ式とともに)
das そのことが
  wenn auch just das vielleicht nicht die Hauptsache ist,
  たとえ、もしかしたら今それが重要なことでは
  ないにせよ、
schließlich (副) 最後に、ついに、やっと、
 ② 結局は、何といっても (after all)  
es kommt auf etwas⁴(jn⁴) an
   ~(4格)~次第である
    (4格)が重要問題である
an/halten (自) 止まる、停止する   
legend (現在分詞) 置きながら <legen (他) 置く
「両手をカールハインリヒの両肩に置きながら立ち止まる」
  が直訳.




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