872番:さすらいの青春(73)(74)
- カテゴリ:日記
- 2021/02/09 18:52:02
さすらいの青春
【73】
Généralement, à l'heure du dîner, nous nous
trouvions tout près du Cours *, chez Desnoues, le
charron, qui était aussi maréchal. Sa boutique était
une ancienne auberge, avec de grandes portes à
deux battants qu'on laissait ouvertes.
訳
たいてい夕食時には学校のそばの車大工でもあり、蹄鉄工の
デヌーの家にたむろしていました。彼の仕事場は、昔の
旅籠屋で、両開きの大きな門構えになっていました。
《語句》 * ad はadverbe(副詞)の略号
généralement (ad *) 普通は、一般に、概して、たいがい
Cours 「学校」説を採用
charron (m) (昔の)車大工
maréchal (pl, ~aux) (m) ①元帥、②[古]蹄鉄工、ここでは蹄鉄工
auberge (f) (田舎の)宿屋
boutique 今回もこの意味の不明な単語が出てきました。
とりあえず「仕事場」と訳しておきます。
尚、前回は、呉服反物店を兼ねた製造所のつもりで
訳しました。今回は、車大工ですから、訳を「仕事場」
に変えました。
à deux battants 2つの扉のある、両開きの、観音開きの
≪辞書になかった単語≫
* Cours c が大文字の見出しはありません。cours の特別な意味に
なるだろうとの見当をつけても尚しぼれず、訳本を見てみた。
それでも、訳は2つにわかれました。「学校」と「職場」に。
3:2なので多数決で、「学校」を採用。
ついでながらDesnoues,の読みですが、これも「デスヌー」と
「デヌー」に分かれましたが、同じく多数派「デヌ-」にしました。
みすず書房:学校
旺文社文庫:工場
講談社 :学校
角川文庫 :仕事場
岩波文庫 :学校
さすらいの青春
【74】
De la rue on entendait grincer * le soufflet de la forge
et l'on apercevait à la lueur du brasier, dans ce lieu
obscur et tintant, parfois des gens de campagne qui
avaient arrêté leur voiture pour causer un instant,
parfois un écolier comme nous, adossé à une porte,
qui regardait sans rien dire.
Et c'est là que tout commença, environ huit jours
avant Noël
訳
道路から鍛冶屋のふいごが軋む音が聞こえていました.
そして薄暗い中に時々、車を止めて、おしゃべりをする
村の人たちや、何もしゃべらず、門扉に背もたれして、
見ているだけの、私たちと同じような生徒の姿が、金属音
と共に発せられる炭火の閃光で、見え隠れしていました.
そしてすべては、クリスマスのおよそ1週間前、
ここで始まったのでした.
《語句》
forge (f) (村の)鍛冶屋 (複数で)鉄工所、精錬工場
soufflet (m) ふいご、 soufflet de forge 鍛冶屋のふいご
grincer [グランセ] 軋む
lueur [リュール](f) 微光、閃光
brasier (m) (真っ赤に燃える)炭火
②(燃えさかる)火
apercevait (半過去)<apercevoir (v/t) 見える、気が付く
parfois (副)時に、時々
tintant <tinter (v/i) ①(鐘が)鳴る
② 鋭い音を立てる、チャリン[かちん]と音を立てる
ここでは「金属音を発して」と訳しました.
causer (v/i) おしゃべりをする
écolier(ère) (n) 小学生、初心者、新米
ここでは「生徒」と訳しました.
campagne (f) 田舎, ここでは「村」と訳しました.
adossé <adosser ( à, contre に)もたせかける
s'adosser (à, contre に) もたれる (を)背にする