Nicotto Town


五飯田八宝菜の語学学習日記


826番:スガンさんの山羊(6)

   【6】
C'était,  paraît-il,  des chèvres indépendantes,    
voulant  à tout prix le grand air  et la liberté

      ——訳——
それは独立心の強い山羊で、どんな犠牲を
払ってでも、威風と自由を求める山羊たち
だったのです.

        《語句》
paraît-il ~のように思えた.
  本来、Il parait que  ...と文頭に来るのですが、
 倒置して、挿入句形式になっています.
  尚、現在形は Il paraît que + 直説法
  動詞の原形は√paître
paître + 属詞 の形で用いることも多い
indépendantes < indépendant (形) 独立心の強い     
à tout prix  どんな代価を払っても、ぜひとも
grand air  この見出しででは載っていませんでしたが、
  追い込みに avoir grand air ①品位がある、
 ②立派に見える ②堂々としている
  とありますので意味は拾えます.

    ≪感想≫
この山羊たちが、あまりにも、グランゴアールさんの
性格そのものだったので、読んでいて、吹き出しました.
  尚、ドーデ自身は、記者になったのだったと思います.
が調べてみます.(お待ちください)・・・調べてはみま
したが、詳しい記述はありませんでした.  記者になった
かどうかの記述はないのですが、この際、この作家の紹
介をするため、調べた箇所を丸写しします.  
(丸写しなので削除要請がきたら消去します.)

≪アルフォンス・ドーデ≫
Alphonse Daudet  (1840-97)は南仏のニームに生まれ、
リヨンのリセに学んだ.親が倒産したため、若くして
アレの高等中学校で復習教師をしなければならなかった.
そのときのあだ名、プチ・チョーズ(petit chose=ちび助)
はやがて、同名の自伝小説(1868)となる.
ここには青春時代の、数々のつらい思い出が語られてい
る.歴史家の兄がドーデをパリに呼び、文学の道に進む
のを助けてくれる.詩集『恋する女たち』(1858)
を出して文壇に出、ようやく生活も安定し始める.
1869年、短編集『風車小屋だより』Lettres de Moulin
を刊行して一躍有名になる.この作品集は25の短編か
ら成り、故郷のプロヴァンス地方に題材をとり、自然主
義の作家らしい鋭い観察と人間味豊かな愛情とを込めて、
南フランスの人々、地方風俗、民間説話などを、美しい
風景とともに、優しく、あたかもささやくかのごとくに
語っている.
  中の一編『アルルの女』L'Arlésienne はのちに劇化され
ビゼーの作曲によって知られた.
  当時、自然主義はゴンクール兄弟を経てゾラに達し、
その絶頂にあったが、ドーデはゴンクール兄弟とは早く
から親しくその唯一の弟子と言われていた.『ボヴァリ
ー夫人』が『いなか風俗』という副題をもつのに反し、
ドーデの長編の大部分には『パリ風俗』という副題が付
されている.この長編には三部作として有名な『タルタ
ラン・ド・タラスコン』(1873)、『アルプス山中のタルタ
ラン』(1885)、『タラスコン港』(1890)があり、プロヴ
ァンス人の性格が誇張された滑稽味をもって描かれてい
る.チボーデはこれを「戯画の南仏」と呼んでいる.
 1873年には、41の短編から成る普仏戦争のエピ
ソードを集めた『月曜物語』Contes duLundi が発表された.
不幸な人間を愛し、そうした人間に深い哀れみと愛情を
抱くドーデ生来の、すみきった心の優しさが作中ににじ
み出ている. 『最後の授業』は、プロシア軍に占領され
たアルザスの小学校で、敵の命令により、あすからはフ
ランス語の授業は禁止される.  その最後の授業で、老
教師がフランス語の美しさを静かに教えた後、黒板に
「フランス万歳」と書いたまま絶句してしまうのである.
そこには愛国的な荘重さ、さえ感じられる.
 ドーデは、不幸な子どもたちへの共感(『ジャック』
1876)、パリの場末に生活する人々に対する憐憫(『弟フ
ロモンと兄リスレール』1874)、恋愛関係のために人生
を台無しにされた芸術家の身の上ばなし(『サフォ』
1884)といったように、自然主義作家としてはあまりに
も優しい情感を持ちすぎていた.それゆえ、徹底した
客観描写はできなかったようである.したがってここ
から、印象主義の作家(ブリュンチエール)のように
見られもするのである.つまり科学的観察に、いつも
人間味(同情)がまじるのである.フランスのディケ
ンズとよばれるのも、ゆえなきことではない.だが文体
はあくまで幻想的、詞的であって、文学作品が持つ悲し
い喜びといったようなものを読者に与えてくれる.その
意味で、ドーデは「幸福を売る男」であった.




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