732番:「星」(10)(ドーデ短編集②から)
- カテゴリ:日記
- 2020/11/26 13:35:21
【23】
Je voulus que notre demoiselle entrât se reposer dans le parc.
Ayant étendu sur la paille fraîche une belle peau toute neuve,
je lui souhaitai la bonne nuite, et j'allai m'assoir dehors devant
la porte ...Dieu m'est témoin que, malgré le feu d'amour
qui me brûlait le sang; aucune mauvaise pensée ne me vint ;
rien qu'une grande fierté de songer que dans un coin du parc,
tout près du troupeau curieux qui la regardait dormir, la fille de
mes maîtres, ——comme une brebis plus précieuse et plus blanche
que toutes les autres,——reposait, confiée à ma garde.
訳
私はお嬢さんに囲い場に入って休んでもらいたいと思いました。
新しい藁の上に真新しい綺麗な毛皮を敷いて、お嬢さんに寝てもら
おうと思いました。そして自分自身は扉の前で座り込もうとして
出てゆきました ... 誓って言いますが、愛が燃えて、血が騒いて
いたのは確かですが、変な気はこれっぽっちも起こしませんでした。
好奇心をもった家畜たちは好奇心をもって、眠っているお嬢さんを
見ている。お嬢さんはそのそばで、囲い場の片隅で寝ている。
それを私が庇護しているのだ。ただ、ただ、そういう誇りがある
のみでした。、
《語句》
étendu < étendre (t)広げる、伸ばす
peau (f) 肌、皮 皮革、 ここでは山羊、もしくは羊の毛皮
ayant étendu (複合形)フランス語文法では、分詞節と呼ばれていますが
このブログでは、英語でなじみある名前がいいと思い、
「分詞構文」と呼ばさせていただきました。
フランス語文法では、ジェロンディフとはっきり区別するため、
分詞節と言っているのだと思います。それさえ混同しなければ、
いいと思います。用法はほとんど英語と同じ。~しながら、~して、
~なのでetc
ここでは、お嬢さんに寝てもらうため、「毛皮を広げて」
お休みを言おうとしたのでした。
【24】
Jamais le ciel ne m'avait paru si profond, les étoiles si brillantes ...
Tout à coup, la claire-voie du parc s'ouvrit et la belle Stéphanette parut.
Elle ne pouvait pas dormir. Les bêtes faisaient crier la paille en remuant,
ou bêlaient dans leurs rèves.
訳
空が私に、こんなに深く見えたのは、星がこんなに輝いたことは今まで
ありませんでした ...そのとき突然、囲い場の柵が開きました。そして
美しいステファネットお嬢様が現れました。お嬢さんは眠れなかったのです。
家畜たちが動いて、藁をガサガサと音を立てたり、夢を見ながら、メーと
鳴き声を上げたりするからです。
《語句》
claire-voie (f) 格子、柵