679番: ハイジ(12)
- カテゴリ:日記
- 2020/11/05 16:57:00
ハイジ(12回目) 11月5日(木)投稿
【8】
Da stand schon der Geißenpeter mit seiner Schar,
und der großvater brachte eben Schänli und Bärli
aus dem Stall herbei, daß sie sich der Gesellschaft
anschlössen. Heidi lief ihm entgegen, um ihm
und den Geißen guten Tag* zu sagen.
訳
そこにはもう山羊飼いのペーターが山羊の群れと一緒に
立っていました。おじいさんもちょうど家畜小屋から
「白鳥」と「熊」を連れ出してきたところでした。
ハイディは、ペーターと山羊たちに「おはよう」
を言うため、ペーターに向かって走りました。
《語句と解説》
* guten Tag Guten Tag ! は「こんにちは」
Guten Morgen ! 「おはよう」
Guten Abend ! 「こんばんは」
だったら「こんにちは」でしょ?ごもっとも。でもハイジは目覚めたばかり。
やはり「おはよう」でしょ。「こんにちは」のGuten Tag ! ではない印に
guten Tag と小文字を使っています。
da (副)そこに
stand 立っていた (過去形)<stehen 立つ、立っている
schon もう、すでに
Geißenpeter 山羊飼いのペーター
mit (前)~と一緒に
die Schar {_/_en} 群れ
der großvater {_s/¨} おじいさん
brachte......herbei こちらに連れてきた(過去形)< bringen.... herbei
< bringen.... herbei こちらに連れて来る
bringen.... herbei は分離動詞と言って、
主語+bringenの活用形.....文末に herbei を置きます。
辞書には herbai/bringen の形で載っています。
bringen だけだと「持ってくる」、「連れて来る」なのですが
herbai 「こちらに」とセットで意味に立体感が出てきます。
die Gesellschaft {_/en} 仲間 社会
anschlössen 接続法第2式3複 <an/schließen 付け加える
接続法というのは、事実を述べる普通の文(直説法)に対して
想像、仮定、希望・願望、可能性、要求、願わしいことなど
事実・現実ではない心の思惑などを表現する用法です。
ここでは、2匹の山羊、「白鳥」と「熊」が、大勢いる山羊に
合流できるように・・・この「できるように」というところの
ニュアンスを伝えるため、接続法を採用しています。
sich⁴ (再帰代名詞) an/schließen と共にsich⁴ an/schließen で
der Gesellschaft(3格、仲間)仲間に「加わる」という
意味を作り上げます。
der Gesellschaft(3格)というのは
1格 「~は」 die Gesellschaft 仲間は
2格 「~の」 der Gesellschaft 仲間の
3格 「~に」 der Gesellschaft 仲間に
4格 「~を」 die Gesellschaft 仲間を
sich は彼自身、彼ら自身、彼女自身、彼女ら自身、それ自身、それら自身
という意味で「4格~を」で使われています。
それで、「白鳥」と「熊」が彼ら自身が仲間に加われるように、というのが
daß sie sich der Gesellschaft anschlössen
の部分で表現されています。
daß は英語のthat みたいなものですが、daß 以下の文では、
その中の文の定動詞が文末に回ります。だからこの中の文の
語順は、日本語とそっくり現象になっています。
それだからでしょうか、日本人とドイツ人が気が合うのは。
もうひとつ文法説明がありました。見送りにしようと思いますが
せっかくなので解説します。
この段落最後の文章です。
Heidi lief ihm entgegen, um ihm
und den Geißen guten Tag zu sagen.
まず前半、Heidi lief ihm entgegen.
ハイディは彼に向かって走りました。
ihm 「彼に」(3格)という意味です。
er 「彼は」(1格)
seiner 「彼の」(2格)
ihn 「彼を」(4格)
全て仲間です。ついでに覚えましょう。
「格」(かくと読みます)というのは日本語の格助詞(てにをは)に当たります。
ドイツ語は(はのにを)の順で(1格2格3格4格)です。格が4つあります。
本によっては、「主格」「属格」「代格」「対格」といているものもあります。
ちなみに私が学んでいる平尾浩三先生の本は「N格」「G格」「D格」「A格」
です。とりあえず覚えましょう、ドイツ語は4つ「格」があるのでございますよ。
lief ~ entgegen は、まずlief から説明しますと、laufen 「走る」という意味の過去形です。
この動詞の3基本形は、laufen, lief, gefaufen という変化をする動詞です。
後半のentgegen これは「~に向かって」という副詞の仲間。laufen は、これと
セットでentgegen/laufen という分離動詞になっています。
どこがどう分離するのだ?分離するところに / で印をつけました。
分離する方法は前半のlaufen は普通に定動詞の位置。後半のentgegen は文末に
回送されます。
Heidi lief ihm entgegen.
ハイディは彼のほうに走りました。
彼というのはペーターのことです。
「um ~ zu 不定詞」 で「~するために」と訳します。
um ihm und den Geißen guten Tag zu sagen.
「ペーターと山羊におはようを言うために」
となります。
Heidi lief ihm entgegen, um ihm
und den Geißen guten Tag zu sagen.
ペーターと山羊たちに「おはよう」
のあいさつをするために、ハイジは
ペーターに向かって走りました。