Nicotto Town


五飯田八宝菜の語学学習日記


630番: アルルの女(最終回)

アルルの女(最終回)         

      【31】                  
  Ce matin-là,  les  gens  du  village  se  demandèrent *¹  qui *²
pouvait *³ crier  ainsi,  là-bas*⁴,  du  côté  du*⁵ mas  d'Estève ...    
  C' était dans  la  cour,  devant la table  de  pierre  couverte  de
rosée  et  de  sang,  la  mère  toute nue  qui  se  lamentait,  avec
son enfant mort  sur  ses  bras.

              ———— Fine————



                    訳        
その朝、村人たちは、エステーヴさんの家の方で、誰があんなに
泣き叫んでいるのだろうと、互いに尋ね合った。
   それは庭の中で朝露と血で覆われた石のテーブルの前に
死んだ息子を両腕に抱き、裸同然で、嘆き悲しむ母親の叫び
声だった。

           ———— 完————
  
          《語句》
*¹  再帰代名詞は文中で様々な役目を持つが、ここでは、相互用法
   で、村人たちが、互いに尋ねあったという解釈が妥当です。
*² qui donc の意味。一体全体誰が~
*³   「qui peut crier / 誰が泣いているのだろう」主節が過去(単純過去)なので
  時制の一致を受けて、qui pouvait crier となっている。    
*⁴  là-bas「向こうで」と先に大雑把に言っておいて、「農家の方で」と
  詳しく言い直すのが自然な言い方です。
*⁵  du  côté de ~ ~の方に、~の方で、
  du côté de + le mas  エステーヴさんの家の方で  

                 ≪感想≫
痛ましいお話でした。死んでしまうぐらいなら、
たとえ、ふしだらな女だと言われてもいいから、連れ添いたかったですね。
母親がその話を切り出したときに、エステーヴさんも賛成してあげれば
よかったのですが。やはり、世間体が気になったのでしょうか。
今の時代なら、その点は自由ですが、この当時では、それができなかった
のかもしれませんね。痛ましいです。

こんなこと書けば、お叱りを受けるかもしれませんが、ひとりの男性
だけでは生理的に、十分満たされない女性もいると思います。
そこにも寛容であれば、不幸は避けられたかもしれません。
でも、難しいか。




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