618番: アルルの女(14)
- カテゴリ:日記
- 2020/10/01 10:20:56
【27】
.Jan lui-même avait l'air content : il voulut faire danser sa mère ;
.la pauvre femme en pleurait de bonheur.*. A minuit, on alla se coucher. Tout le monde avait besoin
.de dormir ... Jan ne dormit pas, lui. Cadet a raconté
.depuis* que toute la nuit il avait sangloté ...Ah ! Je vous
.réponds qu'il était bien mordu, celui-là...
訳
ジャン自身も満足げだった: ジャンは母親を踊らせようと
しました。哀れなるかな、母親は感極まって涙をこぼした。
真夜中、人はみな眠りにつきました。疲れて誰もが眠ら
れずににはいられませんでした...ジャンは眠らなかった。
後に弟が語ったことなのですが、ジャンは、一晩中、嗚咽して
いたのだった。ああ、(何ということか)請け合って言いいま
す。ジャンは実に苦しんでいたのです、あの青年は・・
《語句》
avait besoin de dormir 眠らなければならなかった
< avoir besoin de + 不定詞 ~しなければならない
その理由は、踊りつかれたからで、「眠らずには
いられなかった」、ということです。
* depuis この depuisは「~以来」ではなく、単独の副詞で「のちに」
「あとで」「あとになって」などと訳します。
なお、後で話したら、その時点も過去なので、話した内容は
大過去です。 il avait sangloté これが大過去。過去の中の過去。
sangloté < sangloter (自)すすり泣く、むせび泣く、嗚咽する
réponds (直、1単)<répondre 請け合う
répondre + que + 直説法(ことを)保証する
Je vous réponds qu'il viendra./ 彼が来ることは保証します。
bien まさに mordu の前の bien は「まさに」、「確かに」と訳します。
mordu 過去分詞 <mordre ① 嚙む、 ② 苦しめる、傷める、
bien には「強調」の効果もあります。「よく嚙まれた」のでは
ありません。悪人なら、「よくぞ犬に嚙まれてくれた」なのですが、
celui-là 主語と同格、対比強調させる効果があります。
「あの人は!」という感じです。
《文法》
使役のfaire (1)
faire と不定詞は親和力が強いので、この間にたとえ不定詞の主語であっても
入ろうとしても、放り出されてしまうほどです。一句できました。
「主語でさえ放り出されるfaire + 不定詞かな。」(字余り)
J'ai fait partir mes enfants en Suisse./ 私は子供たちをスイスへ発たせました。
ジェ フェ パルティール メザンファン アン スュイス
使役のfaire (2)
代名詞の場合はfaire の前に来ます。とにかく、faire + 不定詞
の間には来させない。
「代名詞 + faire + 不定詞」
Je les ai fait partir en Suisse. / 私は彼らをスイスへ発たせました。
ジュ レ ゼ フェ パルティール アン スュイス
(話また脱線しますが、女性名詞の国に
行くときの前置詞は en ですよ。)
使役のfaire (3)
不定詞が他動詞のときの構造
「faire + 不定詞+ 不定詞の補語名詞 + par (または à) + 名詞」
長ったらしい設計図ですが、よく見ると、主語はついに
放り出されて、「par 付きの名詞」という前置詞句に格下げ
されました。例文をみましょう。
J'ai fsit construire une maison par (もしくはà) un architecte.
ジェ フェ コンストリュイール ユヌ メゾン パール (ア) アン ナルシテクト
私は一軒の家を建築家に建てさせました。
使役のfaire (4)
不定詞が他動詞で直接補語が人称代名詞の場合
「代名詞 + faire + 不定詞」
Je l'ai fait construire par lui.
ジュ レ フェ コンストリュイール パール リュイ
私はそれを彼に建てさせました。
( par のあとは強勢形人称代名詞になります。)
尚、このlui は間接補語人称代名詞にすることもできます。
Je la lui ai fait construire.
ジュ ラ リュイ エ フェ コンストリュイール
私はそれを彼に建てさせました。