614番:アルルの女(10)
- カテゴリ:日記
- 2020/10/01 09:23:41
アルルの女(10)
【20】
Quelquefois il passer des journées entiéres seul dans un coin; sans bouger: D'autres jours, il se mettait à la terre* avec rage et abattait
à lui seul le travail de dix journaliers ...Le soir venu, il prenait la
route d'Arles* et marchait devant* lui jusqu'à ce qu'il vît monter dans
le couchant les clochers grêles de la ville:
訳
あるときは、ジャンは数日間たったひとりで、部屋の片隅で、身
動きもせず過ごすこともあり、また別の数日間は、気も狂わんば
かりに畑仕事にとりかかり、ジャンひとりで10人分もの畑仕事を
こなしたりした...夜になると、一人だけで、アルルへ向かう道
を取り、西の空に、町の教会の細長い鐘楼がそびえるのが見える
ところまで歩いて行きました。
《語句》
* la terre ここでは「畑仕事」 se mettre à ~ ~にとりかかる
il se mettait à la terre 彼は畑仕事にとりかかったりした。
rage (f) 激怒 avec rage 怒り狂ったように
「avec + 抽象名詞」は副詞的な意味になる。この場合
名詞は無冠詞となるが、形容詞がつくと、不定冠詞がつく。
abattre (他)「打ち倒す」が基本的な意味。
ここでは熟語で、abattre du travail
もしくは abattre de la besogne で「どんどん仕事を片付ける」「せっせと仕事をする」などの意味になる。
* il prenait la route d'Arles
この d' = de は、qui conduit à を意味する(第三書房版対訳書)
彼はアルルへ向かう道をとった。(道を歩いて行った)
(乗り物が書かれていないので、徒歩と考えるのが普通)
marcher ~に向かう、歩く / marcher devant soi まっすぐ歩く
jusqu'à ce que ~ するまで、ここでは場所の到達点。「~するところまで」
尚、ce は関係代名詞 qui の先行詞。このce に場所が示唆される。
そして jusqu'à ce que のあとは接続法になります。
jusqu'à ce qu'il voie les clochers. / 鐘楼がみえるところまで
物語で主節が過去形なので、接続法半過去が使われます。
(会話では、簡単に接続法過去で済ませます)
接続法半過去は、習わなかった方も多いと思いますので
活用語尾を書いておきます。語幹は単純過去の2人称単数(tu)
の形からsをとったものになります。
je ~sse / tu ~sses / il ~^t /
nous ~ ssions / vous ~ssiez / ils ~ssent
重要な例外の動詞
avoir の接続法半過去
j'eusse / tu eusses / il eût /
nous eussions / vous eussiez / ils eussent
★
êtreの接続法半過去
je fusse / tu fusses / il fût /
nous fussions / vous fussiez / ils fussent
最後に、voir ですが、知覚動詞の文型は
知覚動詞 + 不定詞 + 名詞(知覚動詞の目的語兼不定詞の主語)
Je vois courir un chien. / 犬が走っているのが見えます。
J'entends siffler le train. / 汽車が汽笛を鳴らしているのが聞こえます。