Nicotto Town


五飯田八宝菜の語学学習日記


570番:さすらいの青春

さすらいの青春       
 
         【41】    
Au-dessus de nous, en effet, dans un réduit où s'entassient les pièces
d'artifice noircies du dernier Quatorze Juillet, un pas inconnu, assuré,
allait et venait, ébranlant le plafond, traversait les immenses greniers
ténébreux du premier étage, et se perdait enfin vers les chambres
d'adjoints* abandonnée où l'on mettait sécher le tilleul et mûrir les
pommes.        

                          訳
実際、私たちの上階の部屋、革命記念日*の黒ずんだ花火が
積み重ねてあった部屋で,知らない、落着いた足音が、二階の暗い
広い屋根裏部屋を横切り、天井を揺らしながら、行ったり来たり
しているのが聞こえたのだ。さらに足音は、ついに今は使っていない
助教員用の部屋に向かった。その部屋では菩提樹*を乾燥させたり
りんごを熟させたりしていた。


                       《語彙》
réduit 縮小された(過去分詞)<réduire 小さくする、短くする
                   縮小する
réduit ②(m)(薄暗い)小部屋、部屋の片隅
s'entassient<s'entasser  積み重なる、詰め込まれる、押し込められる
           混み合う
√entasser(他)積み重ねる、詰め込む、押し込む
artifice (m) ① 策略、計略  ② 花火、feu d'artifice
noircies  <noircir (他)黒くする、汚す
Quatorze Juillet 7月14日革命記念日
les pièces  <  pièce (全体の)1部、1個
       通常はune  pièce de ...の形をとる。
              une  pièce d'artifice 花火
assuré (形)自信のある、しっかりした、②確実な、
         regard mal assuré 落着かない視線
inconnu (形)知られていない、未知の
              不明の、なぞの
pas (m) 歩、歩み、足音
ébranlant  <  ébranler (他)揺り動かす
plafond  (m)天井
immenses  < immense(発音:イマンス)(形)広大な、
ténébreux   (形)暗闇の、暗い
se perdait 半過去<se perdre  ① 道に迷う、まごつく、手間取る
       ② (~に)没頭する、夢中になる
du (de+le) premier étage  2階(の)
sécher    乾かす、干す、乾燥させる
tilleul  (発音:ティユィル)(m) シナノキ、菩提樹 
mûrir (他)(果実などを)熟させる
   (自)(果実などが)熟する
* adjoints  助教員。
adjoints過去分詞 <adjoindre (発音:アドジョワンドル)
       (他)をつけ足す(à)(に)加える、付ける
            adjoindre une aile à un bâtiment  建物の側面に一翼をつけ足す
                     (ユネル)
adjointsを「建て増しされた」と解釈すると 
  「助教員用の部屋 → 建て増しした部屋」
   と変わるが、その場合de が介入されているのが、やや不自然。
    (同格の de ということになるとして)
   それでも、なくはない。
  「adjoints=建て増しされた部屋」とすれば成立する。
   ただ、ここは学校の建物描写のくだりなので、「助教員」として
   解釈する方が自然だろう。 
   尚、部屋は複数形で描かれているので、助教員用の部屋が
   いくつかあったものと解釈できる。
abandonné(e) (形)もう用いられなくなった
mettait半過去< mettre (あるものをある場所に)置く
       mettre +不定詞+ qch      ~を...する 
             mettre + qch + à + 不定詞   ~を...する

               ≪ひとこと≫
*   革命記念日を「パリ祭」というのは、日本語での俗称。
    試験問題で「Quatorze Juillet」 を「パリ祭」と訳せば、
  減点される恐れがあります。
*   菩提樹を乾燥させる、というのは、「菩提樹の葉」を
  乾燥させて、ハーブとして用いられたと思われる。 

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2020/09/15 15:23
一番困るのは、名詞の性別ですわ。
オルフェを訳していた時のこと。
車はvoiture 女性名詞。ではロールスロイスは?

この手の難問は、まだまだありまして、石鹸 savon は男性名詞。では
資生堂は? カネボウは? 辞書にないんですけど。
時計montre は女性名詞。ではセイコーは?シチズンは?
辞書にないよ~
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2020/09/15 14:28
日本製のおかしな外国語っぽい言葉や日本語での俗称って、その言語を学ぶものにとっては害になりますよね。



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