Nicotto Town


五飯田八宝菜の語学学習日記


556番: さすらいの青春

さすらいの青春

                   【38】

  Et  aussitô elle fit l'éloge de ce pensionnaire qu'elle nous amenait. 
Je ne reconnaissais plus la femme aux cheveux gris, que j'avais vue courbée devant la porte, une minute auparavant, avec cet air suppliant
et hagard de poule qui aurait perdu l'oiseau sauvage de sa couvée.


                     訳
そして、すぐに彼女は、私たちの学校に連れて来たこの寄宿生をほめた。
私は、もはやこの女性が、さきほど扉の前で、前かがみになっていたグレー
の髪の同じ女性だとは、信じられないほどだった。数分前の親鳥が雛を失った
ような狼狽して取り乱した様子だったのに。


      《語彙》     
éloge (m) 賛辞、賞賛       
pensionnaire 寄宿生、寮生、下宿人
amenait <amener (他)連れて来る
courbée  (形)曲がった、体を曲げた
 auparavant(副)その前に、以前は、まず  
 suppliant  (形)懇願する、哀願する    
*hagard   (形)取り乱した、凶暴な、おびえた
 poule (f) 雌鶏
 couvée (f) (親鳥が抱える)ひと孵りの卵、ひと孵りの雛
     (母親に保護される)子供たち;子だくさんの家
         
    * 印は 有音の h を示す

               ≪ひとこと≫
普通に訳せば、ひと孵りの雛の中の一羽を失った親鳥・・
ということですが、その雛の中に「野鳥」のような元気の
いい雛がいた、ということだと思います。ただし、冗長なので
切り捨てて訳しました。(試験なら不合格答案)


                    【39】
   Ce qu'elle contait de son fils avec admiration était fort surprenant ;  
il aimait à lui faire plaisir, et parfois il suivait le bord de la rivière,
jambes nues, pendant des kilomètres, pour lui rapporter des œufs de
poules d'eau, de canards sauvages*, perdus dans les ajoncs...  
Il tendait aussi des nasses...
L'autre nuit, il avait découvert dans le bois une faisane prise au collet...

                       訳
彼女が自分の息子を賞賛して語ったのは、実に驚くべきことだった;
時々、川岸に沿って裸足で、何キロも辿って、彼女のために
水鳥の卵、つまりカモの卵を草木の茂みの中から探して持って
帰ったりした、そしてまた、獲った魚の入ったカゴをも差し出した
りしたというのだ。
またある夜は、森で雉子を罠にかかった雉子を見つけてきた。


                    《語彙》    
surprenant(e)(形)驚くべき、不意の、意外な
plaisir 喜び
aimait <aimer
aimer + 不定詞 ~することを好む
à lui faire plaisir <faire plaisir à qn ~を喜ばす
彼を喜ばせるのが好きだった
parfois  時に、時々
poules d'eau バン(クイナの一種)
canards (pl) < canard (m) カモ 
canards sauvages 野鳥のカモということだが、カモは野鳥ですので単に
 カモとしておきます。ちなみに、野鳥でないもの、家禽のカモは
 アヒルです。
ajoncs < ajonc(m) (植物)はりえにしだ
perdus dans les ajoncs...  はりえにしだの中に消えた(卵)
        隠されたと解釈して、それを見つける
nasses< nasse(f) 魚梁(やな):魚を捕獲するときの籠
tendait<tendre (他)差し出す
faisane(f)雉子 <  faisan (m) 雉子
prise au colle  膠の罠にかかった
colle (f)糊、膠   ここでは罠にした膠のことを言っている                 

          ≪感想≫
pour lui rapporter のところで躓きました。
「母のために」ならば、pour elle だろうから、ここは、生前の弟と
一緒に出掛けて、弟のためにカモの卵を持ってきてやった、と
解釈していましたが、だんだん話がおかしくなってくる・・・
それで、ようやく気付いたのですが、ここはpour elle のことには
違いないが、ただし、pour elle としてではなく、
rapporter の間接目的語としてのelle
つまり、lui だとわかりました。
ぐるっとめぐってきて、落着く先は「母」。

 【教訓】母は偉大なり
   

           【40】
Moi qui n'osais plus rentrer à la maison quand j'avais un accroc à ma
blouse, je regardais Millie avec étonnement.

Mais ma mère n'écoutait plus.  
Elle fit même signe à la dame de se taire ;  

et déposant avec précaution son ≪nid≫ sur la table, elle se leva
silencieusement comme pour aller surprendre quelqu'un...

             訳
それに比べ、私はというと、上っ張りに鉤裂きを作ろうものなら
とてもじゃないが家には帰れなかったものだが。
私はミリーを見て驚いた。
だって、母はもう客人の話は聞いてはいなかった。
それどころか、客人に黙るよう合図で促した;

そして大切に例の『鳥の巣』をテーブルの上に置きながら、黙って
立ち上がった。

                          《語彙》
rentrer 帰る、帰宅する
accroc(m)鉤裂き、裂け目、
blouse (f) ① 上っ張り、作業服
         ②  女性用ブラウス
  (発音:ブルーズ。ブラウスではない!)
se leva<se lever(代) 立ち上がる、起床する
silencieusement(シランシューズマン)静かに、黙って
surprendre  (他)① 現場で取り押さえる、不意に捕まえる
       ② 不意をつく、 ③ 驚かせる




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