499番: アルルの女(4)
- カテゴリ:日記
- 2020/08/20 05:36:25
【7】
Un des hommes me dit tout bas :
—Chut ! c'est le maître.... Il est comme ça depuis le malheur
de son fils.
A ce moment une femme et un petit garçon, vêtus de noir,
passèrent près de nous avec de gros paroissiens dorés, et entrèrent
à la ferme.
訳
下男たちのひとりが低い声で声をかけました:
——しぃっ! 旦那様でさ・・御子息様の不幸があって以来
ずっと、あんな風でね。
そのとき、ひとりの女と小さな男の子が黒服を着て、金色の
祈祷書を抱えて、私たちのそばを通り過ぎ、農家の屋敷へ
入り込んだ。
《語彙》
gros (形)太い、大きい、厚い
paroissiens (pl)<paroissien(m) 祈祷書
√doré(形)金箔を張った、金色の、金めっきの
passèrent 単純過去<passer (自)通る、通過する
entrèrent 単純過去<entrer (自)(人が)入る{辞書(クラ仏4版)に
(人が)の但し書きがありましたが、ネコが入る場合でもentrer 使えます。}
【8】
L'homme ajouta :
——...La maîtresse et Cadet qui reviennent de la messe.
Ils y vont tous les jours, depuis que l'enfant s'est tué ...
Dia ! hue ! la bête !
訳
男が付け加えて言いました:
——・・奥方と末っ子の坊ちゃまがミサから帰って
こられたのです。ご家族は、ご子息様の自殺以来、
毎日教会に行っているのです。
ハイドー。
《語彙》
ajouta(自/他) 単純過去<ajouter 付け加える、言い足す
maîtresse 女主人(ここでは奥方と訳しました)
messe(f)ミサ
Dia ! hue ! la bête ! 馬を動かすときのかけ声、ハイシーハイドー
【9】
La charrette s'ébranla pour partir. Moi, qui voulais en
savoir plus long,* je demandai au voiturier de monter à côté
de lui, et c'est là-haut, dans le foin, que*² j'appris toute cette
navrante histoire...
————————
訳
馬車は揺れて動き出した。私は、もっとずっと
その話を聞いていたくて、馬方に頼んで、彼の横に乗せて
もらった。そしてまさにこの馬車の中で藁にまみれて、私は
この痛ましい話を聞いたのだった。
, 《語彙》
s'ébranla <s'ébranler (行列、車などが)動き出す、②揺れる、ぐらつく
Le convuy s''ébranle lentement./ 貨物列車はゆっくりと動き出す。
√ébranler (他)動揺させる、ゆさぶる
pour 継起を示す前置詞
voiturier (m) ①馬車屋、荷車引き、②運送業者、③ホテルの駐車場係
(古)馭者、馬方
* 旧い辞書には③の意味は出ておらず、
新しい辞書には①と(古)の意味の項目がない。
おすすめ:辞書は発行年度の古いのと新しいのがあれば理想的です。
(ことばが生きているのが実感できます。)
* qui voulais en savoir plus long 対訳書にはenは ガリシスム
(フランス用法)のen である旨の注が振ってあるが、
en savoir long で「詳しく知る」という熟語です。
このまま覚えた方がいいと思います。
*²que 前方のc'est とセットで、強調用法(主語以外)
(主語強調にはquiを用いる)
appris(単純過去、1単)聞いた <apprendre 聞く、(情報を)知る
navrant(e) (形) 痛ましい、悲痛な