496番: アルルの女(1)からもう一度
- カテゴリ:日記
- 2020/08/20 05:30:40
ドーデ短編集から
『アルルの女』
日記430番に(1)、459番に(2)を
書いていますが、日記倉庫を8つも遡るので、もう一度(1)からコピペして
書きます。
いや、売られていたことがあります・・・・かな?
入手できない方、このゴタの日記で学習可だよ~。
まず、入手できるかどうか、チェックしてみてください。
① 東京第三書房、フランス名作対訳双書Ⅴ 『ドーデ短編選集』
② 大学書林語学文庫 ドーデー『風車小屋だより』
③ 評論社 ニューメソッド 仏文対訳シリーズ3『ドーデー短編集』
何?入手できなかった? アヒルの女じゃない。アルルの女!
音楽にもあるでしょ。フルート演奏曲の。
アルルの女だよ。
では、仕方がないので、ゴタぴょんの日記でご賞味ください。
(写し間違いはないように努めますが、間違いがあったら、
ごめんなさい。)
L'ARLÉSIENNE
アルルの女
【1】
Pour aller au village, en descendant de mon moulin, on
passe devant un mas bâti près de la route au fond d'une
grande cour plantée de micocouliers.
訳
私の風車小屋を下りて、村へ行くには、道の近くに建てられ
榎の植わった大きな庭の奥にある一軒の「農家」の前を通る。
《語句》
L'Arlésienne : Arles の女 男はl'Arlésien
Arles(アルル)は南フランスの古い町
≪解説≫
① bâti près de la route 道のそばに建てられた
② au fond d'une grande cour 大きな庭の奥に
③ plantée de micocouliers. 榎が植えられた
これらの句がどこに掛かるかで意味が
取れるかどうかの分かれ目になります。
①と②はun mas (農家)にかかります。
un mas bâti près de la route 道のそばに建てられた農家であり、かつ
un mas bâti au fond d'une grande cour 大きな庭の奥に建てられた農家
のことである
③は②の d'une grande cour にかかります。
d'une grande cour plantée de micocouliers 榎が植えられた大きな庭
機械的に後ろから訳し上げていけば、おかしくなります。
それでいいなら、とっくの昔に、コンピューターがやっているはず。
そうならないから、我々、人間の脳みその出番があります。
ちなみに機械的に訳せば
私の風車小屋を下りて、村へ行くには、
榎が植えられた大きな庭の奥にある道の傍らに建てられた農家の前を通る・・・
ことになるのですが、
≪庭の奥に道があったのでは、通ることができません。≫
仏文解釈はジグソーパズルにも似ていて、いくら形が同じでも、色と模様が
違えば、それは別の場所。
同様にいくら名詞の後ろの前置詞句だとしても、
必ずしもそこの修飾パーツとは限りません。
よく内容をみながら、どこに掛かるかを見ていきましょう。
何? au fond d'une grande cour をla route の直後に置いた人が悪い?
なんだか、駐車違反して止めている車にぶつけた加害者が言いそうなセリフだ。
本文が文法違反しているとは思えないが、
まあ、上達するためには、他人を責めず、自分の軽率さを反省しましょう。
★最後に d'une grande cour plantée de micocouliers
「榎が植えられた大きな庭」について、もう1度みてみます。
「榎が植えられた大きな庭」について、もう1度みてみます。
de micocouliers は 前置詞 de + des micocouliers が簡略されたもの。
というより
前置詞 de のあとでは、冠詞 du, de la, des, は
重複をさけるため省略される。
前置詞 de のあとでは、冠詞 du, de la, des, は
重複をさけるため省略される。
boulevard de marronniers マロニエの植わった大通り
Elle a planté son jardin de rosiers. 彼女は自分の庭にバラの木を植えた。