日本百名山 ~BSプレミアム~ ②
- カテゴリ:レジャー/旅行
- 2020/08/04 00:52:23
こんばんは!4日(火)台風4号は先島諸島から次第に離れますが、
強風、高波、大雨や落雷、突風等に引き続きご注意ください。
東北北部や北海道は雲が多く、雨の降る所があるようです。
その他の地域は概ね晴れるようですが、内陸部を中心に、にわか雨の所が
あるようです。最高気温は3日(月)と同じぐらいの地域が多いようです。
気象予報士 原田貴智氏より抜粋
ー 原始の森 広がる山 -
白神岳
*この番組は2019年7月29日に放送したものです
前回は白神山の最後の水場(530m)付近まで進んだところで
私の勝手ながらで終了いたしました。どうぞ今回よろしくお願いします。
〇ガイド 小池幸雄(こいけゆきお)さん
30年前、弘前大学の探検部にいた時、白神山地でマタギに出会い弟子入り。
その小池さんが山登りに対して杖の使い方をご紹介。ここから始めます。
便利な杖
「これは手放さないですね。山に行く時、沢に行く時、必ず持っていきます」
マタギの必需品なんですね。
<山旅スタイル>
@マタギ流 山との暮らし方
山を知り尽くしたマタギの知恵を教えてもらおう
「これマタギが使う杖で材料はホオノキ」
@ホオノキ
高さ30M近くになるホオノキ。でも杖にするのはこの部分。
*とても地面に近い部分です
「ホオノキは脇からヒコバエが出るんです」
@ヒコバエ
根本から出てくる枝
「真っすぐで丁度いい太さのやつを取って使います」
ホオノキの軽くて丈夫な材質とヒコバエの太さが杖にもってこいなんだそうです。
あらゆる森の植物の特性を知り、使い分けているマタギ。
狩猟や採集の拠点として使うマタギ小屋も真っすぐ成長する沢ぐるみの幹と
その丈夫な木の皮で造ります。
@マタギ小屋
@クロモジ
こちらはクロモジ。香りが良く殺菌作用もある為
良く利用する木なんですって。
*撮影は私有地で行っています
「ご飯を食べた後、その辺りのクロモジ見つけて爪楊枝にします」
和菓子に添えられる楊枝もクロモジ。さらに葉っぱと枝を山水で
ひと煮立ちさせればクロモジ茶の出来上がり。
@ミズ(ウワバミソウ)
山菜のミズは癖が無くそのまま食べられますが採り方に作法があります。
「ま、山菜何でもそうですが、一番大切なのがとにかく採り過ぎない。
精々三割」
決して欲張らない。山の恵みは必要な分だけ頂くのが
マタギ流なんですって。
午後13時、出発してから2時間半
「弦紫陽花が凄い綺麗ですよ」
わぁ、これ紫陽花ですか?
「列記とした紫陽花の仲間です」
@ツルアジサイ(白いお花)
他の木を使い、這い上がりながら咲かせるんですって。逞しいなぁ。
@蟶(まて)山分岐(826m)
「ここが蟶山の分岐になります」
眺望の望めない蟶山へは立ち寄らず、真っすぐ頂上を目指します。
「ここからはあの、しばらく尾根道を歩きます」
急登は一先ず終わりなんですね?
「そうですね、はい。ブナ林の中をあの、ひたすら真っすぐ歩く感じに
なります。はい、さぁ行きます」
いよいよブナの道。
白い幹に柔らかな陽の光が当たって綺麗。この辺りからブナの樹林。
背の高い木の殆どがブナなんですって。
「白神山地はだいたい8000年前からあの今と変わらないような
ブナ林が広がっていたと言われています」
っていうことは縄文時代からだ。
白神山地のブナは殆ど伐採されなかったので大きな森が広がって
いるんですって。
「いいものがありました」
へ~何だろう?
「熊の爪痕です」
いるんだぁ。木を登ったのかな?
「ブナの右側の熊は大好物で結構巷(ちまた)では熊は木に登れないと
思っている人も多いんですが得意中の得意です。
瞬時に天辺(てっぺん)まで登って行きます」
実がなる頃は木の上でムシャムシャ食べてるんですって。
「ここにブナの実生(みしょう)がありますね」
@実生
種から発芽したての植物
熊に食べられず芽を出すことが出来た実生。
でも小さくて柔らかい芽は鼠や虫の大好物。
無事に成長して大きな木になれるのはほんの僅かなんですって。
あら?道が塞がれてる。
「ブナの倒木ですね」
大きくなって倒れちゃったんですねぇ。年季の入った皮だなぁ。
ちょっと失礼して、うわぁ、中には沢山の虫がいる。
「色んな菌類とか昆虫とか微生物も入り込んでこういうブナを
分解して土に返っていきます。それでまた白神の土の栄養分になります」
森の中では縄文時代からずっと色んな生命(いのち)が
支え合ってきたんですね。
標高は1000m程、また傾斜がきつくなった。
あ~空が見える。
「あ~素晴らしいですよ。良く見えますね。今日は」
森から抜けて景色が広がった。凄い。
@男鹿半島(秋田)
「あれ、男鹿半島です」
なまはげで有名な所だ。
海からの風に吹かれ登ってきたブナの森を背に進む。
少し上がると稜線も見えてきた。
「ここから白神岳が、はい、見えます」
ついに山頂が見えた。もう一息。う、うん二息ぐらいかなぁ。
@ゴゼンタチバナ(白く4枚のお花)
「ここにはゴゼンタチバナが咲いていますよ」
笹の影で風をよけるように咲いてる。この辺りは雪が深く、
冷たい風が吹き抜ける厳しい環境。
だから小さな高山植物が見られるんですって。
@ガクウラジロヨウラク(紫色のラッパの形のようなお花)
@チシマフウロ(紫色で花びらが5枚のお花)
「ついに主稜線に出ました」
やったあ~。
稜線の向こう側に広がっているのはどこまでも続くブナの森。
「殆ど人の手が入ってない、え、場所という感じですね」
日本で初めて世界自然遺産に登録された白神山地。
評価されたのは世界最大級のこのブナの原生林だ。
なだらかな稜線の道を進みます。
「風強いですね。陽当たってるけどちょっと涼しいぐらいですね」
白神岳の頂上はもうすぐそこ。
午後15時半、海から出発して7時間。
「いやぁ、山頂に着きました」
やったぁ。
「お疲れ様でした」
@白神岳山頂(1232m)
ありがとうございましたぁ。
梅雨なのにお天気に恵まれて運が良かったです。
「ばっちり見えてますね」
南には秋田の男鹿半島と能代の街。そして見渡す限りのブナの原生林。
「ずうっと行くと弘前とかはい、その近郊の街でその後街の後ろに
八甲田の山域になりますね。あと青森県内最高峰岩木山」
綺麗な裾野を広げる津軽富士。
この日は頂上近くの避難小屋に泊まります。
午後19時、日本海を夕陽が照らします。
「凄いですね、雲の上辺が太陽に照らされて今までで初めてです。
今日ここにいられた事が本当にラッキーですね」
雲海を染めながら陽が沈んでいく。
「本当に山の恵みを頂いてますし、あの、この山無しでは
考えられないような人生ですかね。
今のところはほぼ全てみたいなそんな感じの山です。はい」
原始の自然が息づく白神岳。
ブナに暮らす生き物の出会い、マタギが伝える知恵に触れた山旅でした。
二日にわたって掲載させていただきました(①と②)。
いかがだったでしょうか!?世界自然遺産白神山地。
我が国で初めて登録されたブナが主役の森。
ブナが豊富な森はいろいろな生物、森だけではなくいずれは海へも。
かつて幻の魚といわれたハタハタも秋田の漁師さんの植樹により
復活。つまりこの大自然がもたらす恵みの偉大さは絶大です。
そうですか?杖はこちらのガイドさんにはかなり大切なようです。
熊はおりますね。番組では熊が爪で木に引っ掻いた証拠が残っておりました。
クマはやっぱりいるんですね(; ・`д・´)