Nicotto Town


もふもふ0304


5~蛙になった王子様~

王族には、生まれた時に予言を授ける魔女がいます。

いつも同じような格好をしていますが、いつも同じ魔女かはわかりません。
予言も当たるのかどうなのか、重大なことなのか些細なことなのか、当人でなければわからなかったりします。
しかし必ず来るものなので、周りの大人(産婆さんとか、出産に立ち会った、王の姉妹とか)が書き取って、本人に伝えます。
王妃のものは、こうでした。
「魔女に頼って困惑する。結果は上々」
王のものは、こうでした。
「人でも神でもないものに助けられる」
本人たちにもさっぱりわからない予言でしたが、不思議と今のこの状況と関係あるのでは、と思えて来ました。
「今私は魔女に頼ってしまった挙句、困っているわ」
「ふむ。私は何に助けられるんだろう」
王妃様は困った状況の説明を始めました。

私の実家には、昔から時折、魔女が立ち寄るの。
普段どこでどうしているのかはわからないけれど、訪問を受けたら、必ず親切にもてなす決まりなの。
何かお願いをかなえてくれることもあるし、話をしていくだけの時もあるの。
先週実家の城に滞在中に、偶然魔女が来ていてね、貴方とのことで思い悩んでいた私が「王子さえいなくなれば」とつぶやいたのを聞かれたの。
魔女はお願いと思ったのでしょうね、帰り際に「王子に死んでほしいのかい?」と私に聞いてきたの。
私は、死んでほしいわけじゃないけど、しばらくあの子の姿は見たくないと答えたら、魔女は言ったわ。
「あんたの嫌いなものは何?」と。
「蛙です」と私は答えたの。
「それなら王子を蛙にしてあげよう。なに、永遠にではない。何も知らない乙女が、その蛙にキスするまでの間だけさ」
そう言って、魔女は止める間もなく去っていったのよ…。

「うわー!蛙にキス?ありえな~い!!」
王女が叫ぶと、今風の言葉を聞きとがめた王妃が注意します。
「そういう言葉遣いは感心しません」
王女が言い返します。
「今はそういうことを言っている場合じゃありません」
王が言います。
「それで、王子は今どこに?」
王妃は口ごもります。
「それが…場所はわからないの。行方が分からなくなる前、王子はどこにいたかしら?」
それなら王は知っていました。
王子と仲の良い乳兄弟の青年と、王宮の裏庭の森を散歩していたところで、急に王子の姿が見えなくなったということでした。
それが先週の今頃、王妃が魔女と話をした時間と大体同じころです。
「つまり、王子は王宮の森で蛙になっていて、事情を知らない乙女にキスをしてもらうまではそのままということか。」
そう王様がまとめると、王族3人はその高貴な頭を抱えたのでした。

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2020/08/12 22:11
あれれ~連載気付いてなかったよ~(;´Д`)
王妃も悪気があったわけじゃないんだね
事情を知らない乙女や~い
カエルにチッスしてあげておくれ~
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2020/08/10 20:05
おおディズニーの世界観なのだぁ
白雪姫や眠れぬ森の美女、美女と野獣etc.
ワクワクしますね~
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2020/08/07 23:34
純真な乙女。身も心も清くないといけない・・・!
王妃は優しいね。
私なら毛虫、と答え、きっと庭師のまく農薬にやられていた・・・・!!
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2020/08/07 23:16
魔法の解呪といったらキッスだね(*ノωノ)
何も知らない純真な乙女じゃないとなのね。。。どんな出会いがあるのかしらワクワク




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