390番:古塔の囚人(イザベル)でフランス語学習
- カテゴリ:日記
- 2020/07/19 03:20:50
臨時フランス語学習
「古塔の囚人」には、(王様がそれを知っているなら・・・イザベル)
というサブタイトルがつけられています。
なぜ、サブタイトルがつけられたかというと、この歌は
もともと、古いフランス民謡から作られているからです。
その民謡を、1947年にフランシス・ブランシュが作詞、
そして、ブランシュと、
ジェラール・カルヴィが作曲したもの。
作詞、作曲といっても、昔からあった歌なので、
正しく言うと、「いじった」と表現するべきでしょうか。
ここは、民謡をエディット・ピアフが歌う歌謡曲になるよう、
マイナーチェンジしたという方が正しいようです。
その判断は、元の民謡がわからなければ、何ともいえませんが・・
Le prisonnier de la tour s'est tué ce matin.
古塔の囚人が今朝死にました。
「死ぬ」という動詞は mourir (ムーリール)
例文の動詞は tuer (トゥエ)「殺す、死なせる」が
使われています。
ただし、ここでは、代動詞で se tuer 「自殺する」
それが「複合過去」の形で使われていますから、厳密に
訳すと、
「古塔の囚人が今朝自殺しました。」
まあ、新聞記事の翻訳ならそれでいいのですが、
こうしたバラード調の歌詞を訳す場合、
原作の意向に沿って、ぼかしながら、語ってゆき、だんだん、
何の話かを明かしてゆく、という手法を取っていることを
壊さないようにします。
代動詞の複合過去の助動詞には avoir ではなく、 être を用います。
Si le roi savait ça, Isabelle
A la robe de dentelle
Vous n'auriez plus jamais droit
A la robe de dentelle の A は英語の with と同じ。
レースの服を着ても
avoir droit à ~ ~を得る権利(資格)がある
もはや何もならない、と言っています。
それによると、
最後のお祖母さんの最後のお言葉がカギを握っている:
Si le roi savait ça, Isabelle,
Il ne pourrait que pleurer avec toi
Car il aimait une belle
Qui n´était pas pour un roi
Et la belle, Isabelle, c´était moi...
もしも王様がこのことをお知りになったら、イザベル、
王様はあなたと一緒に泣くことしかおできにならないわ
だって彼は、王にそぐわない
一人の女を愛していたから
そしてその女とは、イザベル、それは私だったのよ…
つまり、イザベル=お祖母さん=王様の愛した人
という不思議な奇妙な結末です。