353番: 仏教(1)
- カテゴリ:日記
- 2020/07/07 06:56:34
仏教(1)
仏教の教えは、何も目新しいことはありません。
誰でも、みんな知っていることがらです。
たとえばこうです。
諸悪莫作・衆善奉行・自浄其意・是諸仏教
しょあくまくさ しゅぜんぶぎょう じじょうごい ぜしょぶっきょう
諸々の悪しきことをせず、もろもろの善いことを実行せよ。
自ずからその意(こころ)を浄めよ。これが諸仏の教えなり。
しょあくまくさ しゅぜんぶぎょう じじょうごい ぜしょぶっきょう
諸々の悪しきことをせず、もろもろの善いことを実行せよ。
自ずからその意(こころ)を浄めよ。これが諸仏の教えなり。
諸仏と言われていますが
歴史上、仏はただひとり、ゴータマ・ブッダだけのはずですが、
お経文には、七仏、仏様は7人いるらしい。
「どこにいるのだ。名を名乗れ!」
と言いたいでしょ。あなたが、学校の先生なら、出席を取るんじゃない
ですか?
1番、毘婆尸仏(びばしぶつ)様。 はい。
2番、尸棄仏(しきぶつ)様。はい。
3番、毘舎浮仏(びしゃふぶつ)様。はい。
4番、拘留孫仏(くるそんぶつ)様。 はい。
5番、拘那含牟尼仏(くなごんむにぶつ)様。はい。
6番、迦葉仏(かしょうぶつ)様。 はい。
7番、釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)様。 はーい。
そして、最後にお返事くださったお釈迦さまだけが、
私たちになじみのある、インドでお生まれになった仏様
ですよね。(ネパール説も有力ですが)
(このことについては、また後日お話しましょう)
お釈迦様がお出ましになる前には、過去にも仏様が
いらしたと、ということらしいです。
さて、冒頭の教えをもう一度、見てみましょう。
諸悪莫作・衆善奉行
しょあくまくさ しゅぜんぶぎょう
諸々の悪しきことをせず、もろもろの善いことを実行せよ。
しょあくまくさ しゅぜんぶぎょう
諸々の悪しきことをせず、もろもろの善いことを実行せよ。
昔、中国で・・白楽天の時代に、その白楽天が、木の上で
座禅をしているお坊様を見つけるんですね。
危ないから声をかけます。
「そんなところで座禅してたら、危ないよ。」
するとそのお坊さんが、返答します。
「あんたのいる、そのシャバ世界は、もっと危ないよ。
ドロボーもいるし、人殺しだってある。」
白楽天、ちょっとからかわれた気分になって、面白くない。
言い返します。
「あんた、仏教って、いったい何なんだね。」
そこで、このお坊様が、冒頭の句を唱えて、教えたというのです。
「悪いことをせず、いいことを、どんどんやりなさい。」
それを聞いた白楽天が、笑って言い返します。
「ははは、そんなこと、3つの幼児でも知っているよ。」
お坊様、さらに言うには、
「なるほど、3歳児も知っているだろうが、80歳の
翁にも実行は難しいぞ。」
これには、さすがに、白楽天も1本とられたといいます。
でも、たしかに、これが仏教だと思います。簡単な教えだけど、
実行が難しい。
このお坊様の名前は、鳥彙道林(ちょうかどうりん)。
741年~824年というから、唐の時代の僧侶です。
この名僧の返答に
大いに学んだ白楽天は、竹閣(広化寺)を建てたという。。
そして以後、朝に夕に訪れては、参禅したのだとか。
仏説は、わかりきった、やさしいことなのだけど、
実践となると、きわめて難しい。
とくに、たとえば、アル中みたいな人に、禁酒を説いても
無駄でしょ。その人には、まず、アルコール中毒症を
治療するところからスタートさせないと。
それは、仏教の分野ではなく、入院して治療した方が早い。
煩悩を断じて、一切無障礙とならん・・
なかなか経文通りに、事は運びません。運べば、その人は
第二のお釈迦様。