グランドグルメ ヨーロッパ食材紀行~BSP ①
- カテゴリ:グルメ
- 2020/05/28 14:25:25
こんにちは!北海道は気圧の谷の影響で雲が広がりやすく、局地的に雨が
降る地域も。東北から九州にかけて高気圧に覆われ、広く晴れる。
沖縄は曇りのところが多いようです。
「ウナギの味はテムズの流れとともに」 ~イギリス~
イギリス ロンドンの中心を流れるテムズ川。ロンドンはこの川と共に発展し、
人々の暮らしや文化を育んできました。テムズ川は大都市ロンドンを支える
交通・運送の大動脈です。ドッグで行われる積み荷の揚げ降ろし。
このドッグで働く男達、ドッカーズがロンドンのウナギ料理を育てた
主役なのです。テムズ川沿いの下町、イーストエンド。ドッグからも近い
この地区に住む労働者たちが気軽に食べる事の出来る手軽で栄養がたっぷりの
料理、それがウナギだったのです。
「パイ&マッシュ」
1862年創業 JARS EELS
4代目主人 ボブ・クックさん
煮込んだウナギにリカーと呼ばれる秘伝のパセリソースをかけたウナギの煮込み。
マッシュポテトをたっぷり添えます。ゼリーの中に煮込んだウナギの切り身を
入れたウナギゼリー。
クックさん「生のウナギを出すこともあるけど、毎日出すのは
煮込みとウナギのゼリーだね」
ウナギの切り身を鍋で20分程煮込みます。皮と骨は付けたまま煮込むのが
ロンドンの下町流です。ウナギの煮込み料理のコツはソースとなるリカーの
作り方にあります。それぞれの店がリカーの秘伝の味を持っています。
ボブさんのリカーは新鮮なパセリ―をたくさん使います。
パセリに塩を加えて鍋で煮ます。次に小麦粉を水で溶いたものを加え、
とろみを出します。固まりが出来ないようにかき混ぜながら少しずつ
加えていきます。クリーミーな緑色になりました。
クックさん「ここで重要なポイントは煮汁が沸騰していることなんだ。
そうでないと固まりが出来てしまってスープにトロ味が
出てこないんだ」
煮込んだウナギにパセリソースのリカーをかけて出来上がりです。
パセリソースはミートパイにもかけて出されます。
ボブさんはパイの生地も毎日作ります。
小麦粉、塩、水を合わせ、独特のミキサーでこねます。
マーガリンを加えてパイの生地がパリパリになるように仕上げます。
「このミキサーは60年以上使っているんだ。動きがとても遅くて練り粉を
細かく切り込んでくれる。熱くなったりもしないんだ。生地が熱くなり
すぎるとくっつきやすくなって大変だからね。生地は冷たいほどいいんだ」
パイは270度のオーブンで12分程焼かれます。
お客様「今はアメリカに住んでいるけど姉と一緒に故郷のロンドンに
帰ってくるたびにまずやることといったらパイ&マッシュの店を
探してウナギゼリーを食べる事なの」
ロンドンっ子とウナギの関係は遠く11世紀頃までさかのぼります。
もともとテムズ川で獲れたウナギが食べられてきましたが、18世紀には
オランダから輸入されるようになりました。18世紀後半になると
フライング・パイマンと呼ばれる行商人のウナギのパイが人気を博しました。
19世紀、産業革命によってテムズ川の水上輸送は飛躍的に増えました。
ウナギは港湾労働者たちの人気を呼び、19世紀末から20世紀初頭にかけて
パイ&マッシュのお店が次々に誕生したのです。
朝4時、ウナギを載せたタンカーがオランダから到着したのです。
卸売業者がウナギを陸揚げし、市場へと運びます。ウナギはオランダを
はじめ、アイルランドからも輸入されています。
ロンドン最大の魚市場ビリングスゲート魚市場。ロンドンっ子を満たす
多様な魚が売られています。勿論ウナギもここで売られています。
魚市場でウナギを専門的に扱っている人、ミック・ジェンリックさん。
ミックさんは15歳の時から40年近くもこの仕事をしています。
ウナギのことなら何でも知っているミックさん。
パイ&マッシュ店のボブさんとは昔ながらの間柄です。
ミックさんの店ではパイ&マッシュの店に卸すウナギのゼリーも作っています。
輪切りしたウナギの切り身に塩を加えて大鍋で煮込みます。
煮込む間、丁寧に灰汁を取り続けることが肝心です。煮込んだウナギは
ゼラチンの入ったボウルに移されます。ゼラチン無しでもゼリー状には
なりますが固く、また長持ちさせる為にはゼラチンを加えるのです。
そして冷蔵庫で冷やしてウナギのゼリーの出来上がりです。
勝手ながらですが続きは次回に致します。ご了承をくださいませ。
イギリスとウナギとの歴史とウナギ料理とはいかがでしょうか?
気温、湿度共に昨今上がってきませんか?
ウナギは漁獲量が年々減っていて高価です。
栄養価はとても高いのでこの高温多湿にはもってこいなのですが・・・
本日もその高温多湿の地域は多いかもしれません。
どうぞ皆様ご体調にお気をつけてお過ごしくださいませ。
どうもありがとうございました。
こちらのはお料理ですね。少し確かに軽食みたいな感じなのですが、これは労働者が簡単に栄養が
高い、そして地元の食材で召し上がり、後日の仕事に向けて栄養補給的と重労働だからお腹が
減りやすいのでばくっと召し上がるためも食事ですね。日本でいうとかつ丼、うな丼的な
栄養がありボリュームもあるような感じのものです。
そうですね、職人さんも減っているようですが、まだおられるようです。
いつまでも後世に残したい料理と職人さんの継承ですよね。
ではお惣菜か。我が国にもいると思うけどそんな職人さんが存在することもすごいですね。
ロンドンのテムズ川沿いのロンドンブリッジ近くのホテルに宿泊をしたことがあるのですが知りませんでした。ウナギとの関係性があるのはわたしもびっくりしました。向こうで食せば良かったですね。