Nicotto Town



『線路は続くよ』

# HORIZON


汽車が駅に着く

朽ち果てた、まるで廃墟のような駅

降りる人も、乗る人もいない

ホームの壁には、薄汚れたポスター

綺麗な湖と、色とりどりのお花が咲き誇る山々の写真

書いてある文字は、季節に滲んで、読み取れなかった


「よいしょ。よいしょ」

聞こえてきた声に誘われて、動いているのが不思議な自動改札を抜け、外に出てみる

一面に広がる瓦礫の草原

崩れた山

地平線


「う~ん、もう少し」

再び聞こえてきた声を探すと、ひとりの少女が、大きな瓦礫を動かそうとしている

近寄って手を貸す

「よいしょ~」

二人がかりでようやく瓦礫を動かす

「ありがとう」

下にあった小さな瓦礫を両手で持ち上げながら少女が言う

「何をしているの?」

「瓦礫の下から、お花の声が聞こえたから」

見るとそこには、小さな菫の花が咲いていた

「折角咲いたのだもの、やっぱりお空を見上げたいでしょ」


「此所は・・・」

駅で見かけたポスターが頭をよぎる

「此所はね、とっても賑やかな観光地だったのよ

「湖があって、高いお山があって、いろんなお店やホテルもあって

「たくさんの人たちがいたわ」

何があったのだろう

「何にも。ただ、時が過ぎただけ」

手に持ったままの小さな瓦礫を見つめ、微笑みながら少女が言う


「ねえ、あなたは・・・」

問いかけようとしたとき

RRRRRR

発車のベルが鳴り渡った


「ごめんね。もう行かないと」

振り向いたそこには、少女の姿はなく、草むらと瓦礫の中、それでも綺麗に手入れをされた小さな祠が、朝の光に照らされて、ひっそりとたたずんでいるだけだった


汽車は走り続ける

次はどんな景色に出会えるのだろう


つづく










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2020/05/23 21:15
今晩は~♪

久し振りの「線路はつづくよ」ですね^^
廃墟の様な駅~いったいここに何があったのだろう。
単純かもですが、「ラピュタ」が少し浮かびました。

~ゆ様のブログやコメントが、見れて、少しホッ~З~です。
正直「どうされているのかな~?」と思っていました。
冗談で『「FF7」にハマっているのかな~』とメッセを
書きましたが、本心ではありません。
ご家族やご本人に何かあったのかな~と不安ではありました。

このコロナ禍(騒ぎ)も終息に向かっているのでしょうか…
だと良いですよね~^^
「本コロナ感染と、偽コロナ感染(コロナ風邪)がある。」と
東京大学の研究チームが、発表されたそうですが、
軽症が、コロナ風邪(偽コロナ)なんでしょうか?
PCR検査では、この違いが分からないそうですね。
殆どが「偽コロナ」だったら良いのですが…。
早く、元の生活に戻ると良いですよね~^^


アバター
2020/05/21 20:27
久しぶりに書いてみましたが・・・
失敗作ですね

本当は、もう少し長いお話のはずでした
でも、言葉が綺麗に繋がらず、後半部分を最後の文に圧縮し、削除しました

おかげで
「なんのこっちゃ。さっぱり分からん」
なお話になってしまいましたが
これが、いまのわたしのせいいっぱいです

(#^.^#)




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