Nicotto Town


五飯田八宝菜の語学学習日記


197番:ボク、ネコだよ(2回目)

 
夏目漱石の「吾輩は猫である」が英訳されて、出版されている。
興味があったので、買ってみた。そしてよからぬことを考えた。
すなわち、

 「これをまた、日本語訳したら、どうなるの?」

ということで、さっそく昨日から挑戦を始めた。
きょうはその2回目(なので、これは195番からのつづき)

     I was originally somewhat troubled by such exhalations for
     they made me choke, but I learnt only recently that it was the
     smoke of burnt tobacco which humans like to breathe.
〇  始めのころはボクは、このような発散物にむせび苦しめられ、
     困り果てていたのだが、近頃、ようやくそれが、人間が好んで
   呼吸する燃やされた煙草の煙であることがわかった。

  For a little while I sat comfortably in that creature's
      but things soon developed at tremendous speed.
〇 しばらくの間、ボクはこの生き物の手の中に爽快に座っていたが、
  事態は、猛スピードで展開した。

  I could not tell whether the shosei was in movement or
     whether it was only I that moved;  but anyway I began to
     grow quite giddy, to feel sick.  
〇  書生が動いていたのか、それとも動いていたのは、
  ボクの方だったのか、何ともいえない。しかし
  とにかく、めまいがして、気分が悪くなり始めたのだった。

  And just as I was thinking that the giddiness would kill me,
      I heard a thud and saw a million stars.
〇  それから、このめまいで、ボクは死んでしまうんじゃないかと
  思ったそのとき、ドスンと音が聞こえて、
  100万個の星が見えた。    

  Thus far I can remember but, however hard I try, I cannot
      recollect anything hereafter.
〇   ここまでのところは記憶にあるのだが、その先のことは
  どうにか思い出そうとしても、何も覚えていない。 

  When I came to myself, the creature had gone.
〇 気が付いたときには、その生物はいなくなっていた。

      I had at one time had a basketful of brothers,
      but now not one could be seen.     
〇   嘗てはカゴいっぱいに兄弟たちがいたんだけど
  今は誰もいなくなってしまった。 

    Even my precious mother had disappeared.
〇  ボクの大事なお母ちゃんもドロンして、いなくなっていた。

   Moreover I now found myself in a painfully bright place
     most unlike that nook where once I'd sheltered.
〇   その上さらに、今までの奥まった隠れ場所ではなく、
  今度は、ひどく明るい場所にさらけ出されていた。

    It was in fact so bright that I could hardly keep my eyes open.
〇 実際、非常に明るくて、ほとんど目など開けていられなかった。

  Sure that there was something wrong, I began to crawl about.
〇 何かが具合が悪い、きっとそうだ。
  ボクは這いずり回った。

  Which proved painful.
〇   動き回ると、チクチク痛い。

  I had been snatched away from softest straw only to be pitched
      with violence into a prickly clump of bamboo grass.
〇   ボクは柔らかだった藁の中から、ひっつかまって、乱暴にも
  チクチクする竹藪の茂みの中に、放り投げられていたんだ。


  (2385文字になりました。次の日記に移動します。)




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