195番:ボク、ネコだよ(1回目)
- カテゴリ:日記
- 2020/05/19 20:05:00
夏目漱石の「吾輩は猫である」が英訳されて、出版されている。
興味があったので、買ってみた。そしてよからぬことを考えた。
すなわち、
「これをまた、日本語訳したら、どうなるの?」
ということで、さっそく挑戦。夏目漱石先生が存命なら、
怒って、配信差し止め処分にされるかも。
でも友よ、ご安心あれ。出版から100年以上経過しているので、
コピーライトの侵害に問われることはない。ただし、あまり
稚拙な訳をすると、遺族からのクレームがあるかもしれない。
まあ、それまで、たのしく、お勉強しようではないか。
では、さっそくスタート。
I am a cat.
〇 ボクはネコ。
As yet I have no name.
〇 だけど、まだ名前がないんだ。
I 've no idea where I was born.
〇 どこで生まれたかは知らない。
All I remember is that I was miaowing in a dampish
dark place when, for the first time,
I saw a human being.
〇 覚えていることと言えば、そこが、じめじめとした
暗い場所で、そのとき、はじめて、人間なるものを見た。
This human being, I heard afterwards, was
a member of the most ferocious human species;
a shosei, one of those students who,
in return for board and lodging, perform small chores
about the house.
〇 この人間というのは、後日聞かされたことだけど、最も残忍な
人類のたぐいで、書生というものらしい。それは、学生の
一種で、下宿させてもらう代償として、家事手伝いをする。
I hear that, on occasion, this species catches, boils
and eats us.
〇 ボクが、聞いた話によると、この種族は、時に我々
ネコ族をつかまえ、煮て食うことがあるらしい。
However as at that time I lacked all knowledge of
such creatures, I did not feel particularly frightened.
〇 そうとは言え、その時のボクは、この手の生き物に関して
知識が全く欠落していたのであり、別段、これといって
恐怖心を抱くことはなかった
I simply felt myself floating in the air as I was lifted up
lightly on his palm.
〇 ボクは、空中に浮かんだかなと思ったが、そのときボクは
軽々しくその生き物に持ち上げられ、手のひらの上に置かれていた。
When I accustomed myself to that position, I looked
at his face.
〇 その位置に慣れたので、ボクはそいつの顔を見たんだ。
This must have been the very first time
that ever I set eyes on a human being.
〇 これが初めてボクが人間をこの目で
見た一番最初だったにちがいない。
that ever I set eyes on a human being.
〇 これが初めてボクが人間をこの目で
見た一番最初だったにちがいない。
The impression of oddity which I then received still remains
today.
〇 そのときの可笑しさったら、今になっても焼き付いている。
First of all, the face that should be decorated
with hair is as bald as a kettle.
〇 第一には顔だ。毛で装飾されるべき顔が
つんつるてん。まるで茶瓶だ。
Since that day I have met many a cat but never have I come
across such deformity.
〇 その日以来、多くのネコを見てきたが、
いまだ、そのような奇形の顔には出会ったことはない。
today.
〇 そのときの可笑しさったら、今になっても焼き付いている。
First of all, the face that should be decorated
with hair is as bald as a kettle.
〇 第一には顔だ。毛で装飾されるべき顔が
つんつるてん。まるで茶瓶だ。
Since that day I have met many a cat but never have I come
across such deformity.
〇 その日以来、多くのネコを見てきたが、
いまだ、そのような奇形の顔には出会ったことはない。
The center of the face protrudes excessively
and sometimes,
from the holes in that protuberance,
from the holes in that protuberance,
smoke comes out in little puffs.
〇 顔の真ん中が、やけに出っ張っていて、時々
その突起部の穴から,1吹き2吹きと煙が出てくる。
〇 顔の真ん中が、やけに出っ張っていて、時々
その突起部の穴から,1吹き2吹きと煙が出てくる。
(lここまで、2490文字)(次の日記へ続く予定)