Nicotto Town


五飯田八宝菜の語学学習日記


195番:ボク、ネコだよ(1回目)

夏目漱石の「吾輩は猫である」が英訳されて、出版されている。
興味があったので、買ってみた。そしてよからぬことを考えた。
すなわち、

 「これをまた、日本語訳したら、どうなるの?」

ということで、さっそく挑戦。夏目漱石先生が存命なら、
怒って、配信差し止め処分にされるかも。

でも友よ、ご安心あれ。出版から100年以上経過しているので、
コピーライトの侵害に問われることはない。ただし、あまり
稚拙な訳をすると、遺族からのクレームがあるかもしれない。

まあ、それまで、たのしく、お勉強しようではないか。
では、さっそくスタート。


   I am a cat.
〇  ボクはネコ。

     As yet I have no name.
〇  だけど、まだ名前がないんだ。

   I 've no idea where I was born.
〇  どこで生まれたかは知らない。

  All I remember is that I was miaowing in a dampish
    dark place when, for the first time,
    I saw a human being.
〇 覚えていることと言えば、そこが、じめじめとした
  暗い場所で、そのとき、はじめて、人間なるものを見た。

  This human being, I heard afterwards, was
    a member of the most ferocious human species; 
    a shosei, one of those students who,
    in return for board and lodging, perform small chores
    about the house.
〇 この人間というのは、後日聞かされたことだけど、最も残忍な
    人類のたぐいで、書生というものらしい。それは、学生の
  一種で、下宿させてもらう代償として、家事手伝いをする。
  
  I hear that, on occasion, this species catches, boils
    and eats us.
〇 ボクが、聞いた話によると、この種族は、時に我々
  ネコ族をつかまえ、煮て食うことがあるらしい。 
   
  However as at that time I lacked all knowledge of
    such creatures, I did not feel particularly frightened.
〇 そうとは言え、その時のボクは、この手の生き物に関して
  知識が全く欠落していたのであり、別段、これといって
    恐怖心を抱くことはなかった

    I simply felt myself floating in the air as I was lifted up
    lightly on his palm.
〇 ボクは、空中に浮かんだかなと思ったが、そのときボクは
  軽々しくその生き物に持ち上げられ、手のひらの上に置かれていた。

  When I accustomed myself to that position, I looked
    at his face.
〇 その位置に慣れたので、ボクはそいつの顔を見たんだ。
 
  This must have been the very first time
    that ever I set eyes on a human being.
〇 これが初めてボクが人間をこの目で
  見た一番最初だったにちがいない。

  The impression of oddity which I then received still remains
    today.
〇 そのときの可笑しさったら、今になっても焼き付いている。

  First of all, the face that should be decorated
     with hair is as bald as a kettle.
〇 第一には顔だ。毛で装飾されるべき顔が
  つんつるてん。まるで茶瓶だ。

     Since that day I have met many a cat but never have I come
     across such deformity.
〇  その日以来、多くのネコを見てきたが、
  いまだ、そのような奇形の顔には出会ったことはない。

    The center of the face protrudes excessively
    and sometimes,
      from the holes in that protuberance,
      smoke comes out in little puffs.
 〇  顔の真ん中が、やけに出っ張っていて、時々
  その突起部の穴から,1吹き2吹きと煙が出てくる。
  
(lここまで、2490文字)(次の日記へ続く予定)
   




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