140番:臨時授業フランス語
- カテゴリ:日記
- 2020/04/25 09:17:31
1:重複合過去について
その後、いろいろ気にかけて、見ていたら、
重複合(じゅうふくごう、と読むらしい)時制には
複合過去以外にも、
重複合大過去
重複合前過去
重複合前未来
という時制があることがわかった。
さらに条件法(英語でいう仮定法)にも、複合時制があって、
合計5種類の重複合時制があるとのこと。
しかもこの複雑怪奇な時制は、書き言葉ではなく、もっぱら話し言葉で
使われるとのことだ。
きっと、フランス人の時間的観念はかなり厳格なのだろう。
日本人は案外時間にだらしないからなあ。
2:従属節の時制
いろいろ調べていると、こんな奇妙なフランス語文法を見つけた。
複合過去の従属節は、未来形も条件法現在(英語でいう仮定法未来)
も使えるらしい。
未来形
J'ai répondu que j'irai plus tard. 〇
I answered that I will go later. ×
私は後で行くと返答した
条件法現在 (時制の一致に従うならこうするべき)
J'ai répondu que j'irais plus tard. 〇
I answered that I would go later. 〇
このあたり、もう我々の感覚ではとらえきれない。
ただ言えるのは、この場合のフランス語の過去形は、
英語に換算すると、現在完了形(いちおう現在形の仲間として分類)
に充当するので、未来形がそのまま許されるのではないかと思う。
なぜ、従属節の時制が過去に一致しないかについて、
理由を推測してみると
フランス語では単純過去(英語でいう過去形)が使われなくなってきた
からかもしれない。
20世紀初頭までは南仏(とくにノルマンディーとブルターニュ地方)
では、単純過去形が常用されていたらしいが、やはり、会話での
使用頻度は少なくなってきたらしい。
現代フランスで、会話に使われるのはまれで、使っているのは
一部の懐古趣味の人だけらしい。
まあ、日本語で例えると「~でござるよ」・・・みたいな。
「青白き我は行く~スバルよ」みたいな。
不向きだったようで、複合過去(英語でいう現在完了形 have と過去分詞 で構成)の方が
使い勝手がいいらしく、これが過去も指すようになった。(この点が英語の過去形と違う)
だから、現在完了形でありながら、平気でyesterdayに当たるhierを平気で組み合わせて使います。
重複合過去形については、今、NHKの2010年11月のフランス語ラジオテキストをアマゾンで
取り寄せしてもらっています。(とことん追求してしまうタイプですみません)
特に口語は日本語だって相当変わってるとおもう(笑)