88番: さすらいの青春(フランス語1組③)
- カテゴリ:日記
- 2020/03/30 05:53:23
すらいの青春 ③
Une longue maison rouge, avec cinq portes vitrées,
sous des vignes vierges, à l'extrémité du bourg ; une cour
immense avec préaux et buanderie, qui ouvrait en avant sur le village par un grand portail ; sur le côté nort, la route où donnait une petite grille et qui menait vers La Gare, à trois kilomètres ; au
sud et par derrière, des champs, des jardins et des prés qui rejoignaient les faubourbs....
tel est le plan sommaire de cette demeure où partirent et où revinrent se briser, comme des vagues sur un rocher désert, nos aventures.
訳
それは横長の赤い校舎で、5つのガラス窓があった。
校舎は蔦で覆われており、町はずれに建っていた。
【語彙】
sous (前置詞) ~の下に
vitrées < vitré (a )窓ガラスの、ガラスのはまった (女性複数形)
portes < porte (f ) 扉、戸口、出入口
vierge (形容詞) 処女の、純潔の、真新しい、未使用の 未開拓の、
vigne (f ) ぶどうの木
ただし、vigne vierge で(装飾用の)蔦、野ブドウ
本文中では、複数形で使われているので、「あちこちに」という言外の意味がある。
尚、sous は~の下に、の意味ですが、ここでは、「蔦の下」と訳すより
蔦で覆われて(下になっている)いる、と考える方が、文の流れに即している。
未使用のブドウの木の下に校舎があるのではなく、校舎があちこち蔦でおおわれている。
bourg 町、市場町
l'extrémité < extrémité (f ) 端、先端、 境、はずれ
préaux < préau (m )(屋根のある)校庭、雨天体操場
buanderie (f ) 洗濯場
長文です。大学入試問題にピッタリのような。
さて、出だしは、どこにも動詞がなく、前置詞句の羅列です。
動詞を待っていたのでは、いつまでたっても、日本語に訳せませんから、
先回りして動詞を推測して、日本語を入れていきます。
「それは~」で始めて、「~あった。」と訳しましょう。
ゴタの訳はもっと、厚かましく「建っていた」としました。
どこにも、C'est なんかは、ないし、bâtir(建てる)という動詞もないのですが、
とりあえず、
何かそういう文の骨格がなければ、困るので、どこかそのうち、C'est が出てくるだろうと予測して訳します。たとえばお金がないのでカードでモノを買うように、
そういうことで、勝手にC'est とか、C'était bâti~をつけます。
そして、勝手にセミコロン ; のところで文を切ります。
フランス語の先生が見ていたら、泣いて家に帰ってしまいそう・・・
C'est une longue maison rouge, avec cinq portes vitrées,
sous des vignes vierges, à l'extrémité du bourg.
あとも勝手に C'est là c'était bâti みたいな処理をしておきます。
勝手に手術したので赤チンを塗っておくようなものです。
そのうち、無資格医療行為で逮捕される・・・
sous des vignes vierges, à l'extrémité du bourg ; une cour
immense avec préaux et buanderie, qui ouvrait en avant sur le village par un grand portail ;
校舎は蔦で覆われており、町はずれに建っていた。
なぜ、動詞が省略されているか?それは、小説は、文章の羅列ではなく、文学だからだ。
芸術作品なのだから、格調を整える必要があるからですね。
「~しました。」「~でした」「~です。」と、
いちいちやっていたら、小学生の作文になってしまいますから。コーヒーのように、香りとコクを
文に入れるには、引き算をして(動詞省略)リズムを生む。ということで、慣れていきましょう。