Nicotto Town



ジャガンの旅 第1章 2


 石の家があった。
石の壁にツタが絡まり緑に覆われ屋根も平たく割った石の瓦に守られている。
畑では少女と3人の兵士がいる。
少女は幼く10歳くらい。ちょうどジャガン同じくらいの子供に見える。
ただ、人間と魔族では歳のとりかたも違うけど・・・
兵士「ほれ、働けよ。飯を用意しろ」
少女「この農作物は冬を乗り越える大切な備蓄なんです。
 それにお父さんお母さんを返してください」
兵士「俺たちは勇者なんだよ。東の機械公国の皇帝から遣わされた勇者なんだ。
それにお前の親っていっても俺らに抵抗して殺されたじゃないか。ぐひひ・・」
ジャガン『大地に住まうノームよ。血の盟約に従いかの敵を滅ぼせ』
作物が異様に蔓が伸び兵士達を絞め殺す。
少女「えっえええ・・・」
ジャガン「むかついたんでな。だがお前を殺す気はない」
キペペオ〔人間が憎かったのではないのですか?〕
ジャガン「俺もそう思っていたんだがな・・・」
少女は殺されないことを聞いて安心すると畑を見回し、
農作物が兵士を絞め殺した蔓に変化してるのを確認してまわる。
少女「・・・ああ、農作物が・・・これじゃ冬を乗り越えられない」
ジャガン「ああ、すまないな。だけど兵士に使役されるよりマシだろ?」
少女「でも、兵士はこの家だけにいるわけではないの。他の兵士に見つかったら私も殺されてしまうわ」
ジャガン「・・・どうしろと言うんだ?」
(面倒だな。・・・やはり殺すか?)
少女「あなた、旅人でしょ?私も旅に連れて行って」
ジャガン「お前・・・いい根性してるな。・・・名前は?」
「エリカよ」




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