きらきら、猫ちゃん柳と梅・府中市郷土の森博物館2
- カテゴリ:タウン
- 2020/02/26 03:31:11
仮想タウンでキラキラを集めました。
2020/02/26
集めた場所 | 個数 |
---|---|
ビーチ広場1 | 4 |
自然広場 | 10 |
きらきら、自然、ビーチ、
四択、ギター
(わたしはピアノかな…)
府中市郷土の森博物館のつづきです。
お目当てのひとつであるロウバイの小径へ。こちらはほぼ満開。蝋を塗ったような、ぷっくりと厚い花びらたちが、黄色く照っている。早春のまだ弱い陽射しのなかで、太陽光をそっと助けるように咲いている姿が神々くすらある。おもわず花びらのさわりたくなる。蝋の梅、ロウバイ。また今年も会えたなあと思う。連れ合いは火を付けたらすぐに燃えそうだなあといっていた。春の黄色い蝋燭。
ロウバイの小径を抜け、出口のほうへ歩くとネコヤナギのある、湧水の豊富な国分寺崖線をあらわしたハケの流れに着くのだが、戻って、野外ステージのあるほう、珪化木を見に行く。目的のひとつだったのに、森が広くて、梅たちをぼうっと見ているうちに、通り過ぎてしまったのだ。
珪化木は、案内によると秋田県大内村の水田から発掘されたものを府中市が寄贈をうけたとある。森の中で、ひっそりと切り株のように眠っている。前にもここで触れたが、珪化木は樹木の化石。木の原型のまま、二酸化珪素、瑪瑙状に変化したもので、この化石は白亜紀後期の七〇〇〇万年前のものだとか。
植物のまま石になった、そのことにとても惹かれる。柔らかさと硬さの共存、生と死の、永遠と限りある命たちの融合。たんに今そこにある切り株たちが七〇〇〇万年前のものだということにも感動する。ともかく、また今年もその石の側面に触った。
そうして、珪化木の生える場所から、ネコヤナギの生える水辺へ。まだ少し早い季節で、いないかもしれない、期待と不安におののきながら、覚えている場所に向かう。
いた。猫のようにふわふわとしたつぼみの花穂たちが、陽射しをうけて銀色に輝いている。「猫の恋」のように、春をつげる猫たちだ。ふんわりと寒さを耐えるような毛たちが、とてもしみる。
子どもの頃から猫が傍らにいた。猫は大切な存在だった。そのこともあるだろう。子どもの時、ネコヤナギをドライフラワーにしたものを大事に宝箱にしまっていた。ネコチャンヤナギと勝手にいつしか呼んでいた。「ネコヤナギ」という言葉に、いろいろな意味をこめて、みてしまっている。
ともあれネコヤナギには、大切な思い出たちを感じてなのか惹かれるのだった。早春のやさしい呪文をおびた、いや、そんなわたしの勝手な思惑をものともせず、普段どおりに、いつもの季節のように、たわわに毛をつけているネコヤナギたち。
ちなみに、その後、家の近くのお花屋さんで、ネコヤナギ、正式にはこちらはアカメヤナギというが、ともかく売っているのを目にして、ほっこりしている。やわらかい、小さな猫たちが眠っているようなつぼみたち。
購入して、家でその姿を見つめようかしらといつも思うのだけれど、お花屋さんで見るだけでなんだか満足してしまう。まるで、お花屋さんでいましも生をともしているような気がして。あの府中市郷土の森博物館のネコヤナギたちのように。いや、切り花としてそこにあるのだから、根本的に違うだろう。切り花としてある彼らは、そのまま、生を終えるのだ。ならば、切り花を購入するべきなのでは……。また、次に来たときに考えよう。明日考えよう。「Tomorrow is another day」、映画『風と共に去りぬ』のラストの台詞を思い浮かべた。これも子どもの時よりは、もうすこし大きくなって、中学生の頃から好きな言葉なので、連想したのだろう。子どもの時も中学生の時も、もはや遠いから、けれども、わたしのなかでかすかに灯っているから。明日になったら、家にネコちゃんヤナギたちは来ているのだろうか。来ていないかもしれないし、来ているかもしれないが、どちらにせよ、勝手な言い分だ。
ネコヤナギたちに府中市郷土の森博物館で会った後、先に書いた縄文の遺跡、そして博物館の本館というか、建物へ、常設展へ。また縄文土器たち、土偶たちをみて、力を頂く。
前述のとおり、府中市郷土の森博物館の梅祭りに出かけたのは三週間前の出来事だ。もはや今日は、あのお花屋さんで売られていたネコヤナギが姿を消してしまった。代わりにそこにいたのは、桃の節句ということで、桃の花、そしてなぜか青い麦。
今年は暖冬だったのか、春が来るのが早い。春が一年で一番好きな季節なので、二月の末に春をこれほど感じられることに、うれしい戸惑いがある。啓蟄もまだなのに。
木瓜の花にメジロが止まっている。空高く鳴いているのはあれはシジュウカラ。春を告げる鳥たちもわたしに温もりをあたえてくれる。家の近くでは、ロウバイはもはやとっくに花を終え、おなじ黄色い花ならマンサクが目につきだした。そしてわたしはといえば、ようやく風邪がいなくなってくれたらしい。猫がどこかでまた鳴いた。
この項おわり
いつも読んでくださって、ありがとうございます。